○梅干しの本漬け
母や祖母から聞いていた知ったかぶりの梅の土用干しを、梅雨明けを待ちかねたように晴れ間を利用してやろうと妻と相談がまとまり始めました。土用干しは三日三晩と言われているから長期予報を当てにしてやったところ、思わぬ台風が二つもやってきて、三日三晩どころか一日一晩しか土用干しと夜露取りができず、結局は洗濯干し場を占領して雨の避難騒ぎとなってしまいました。
それでも一日半は夏の太陽に当て、一晩は夜露も取ったので、色も赤くなり柔らかく仕上がりました。8リットルの瓶を7本、それに梅干し用の壺を一つ用意し、仕事で留守の妻に変わって午前中瓶と壺の中へ仕込みました。
昼に帰った妻がその中へ塩漬けした時の梅酢を上から注ぎ込みました。さあこれで準備OKです。あらかじめ買っていた塩漬けされた紫蘇を梅干しの上っ面に乗せました。去年は紫蘇の量が少なくて、2瓶ほどは紫蘇なしで漬け込んでいたのでその梅干しも地下室から取り出し紫蘇を加えました。
これで全ての作業が終わりました。蓋をしっかり締めて蛇口から水を流して汚れた瓶の周りの塩分を流し、タオルできれいに拭き取って地下室へ運びました。元鯉を飼っていた池を潰して地下室を作っているので、梅酒や梅干しは夏でも気温が上がらないためこの場所が最適なのです。これから1年じっくり寝かせて紫蘇に染まったまろやかな梅干しを楽しみたいものです。
先日釜戸小屋の話を書きましたが、数日前ギノー味噌の田中社長と偶然出会い釜戸小屋の話をすると、今度釜戸小屋が出来上がったら釜戸で炊いたご飯と一緒に味噌汁や漬物、それに梅干しも似合うので是非一緒に食べたいという話になりました。味噌も漬物の麹も全てギノー味噌の商品にあるので、今から楽しみが増えてきました。
梅干しを地下室に入れナイロン袋を被せていると、何やら外で子どもの声が聞こえるのです。孫たちは午前中に帰ったはずなのにはてな?と思ってまるでモグラ叩きのように頭を出して外をうかがうと、見覚えのある二人の女の子が中を覗いて「進ちゃん」と声をかけてくれました。見覚えのある小学校一年の隣の子どもとそこへ遊びに来ている親類らしい子どもでした。最近ふとしたことから知り合いになり、声をかけるようになったのです。私は外に出て二人の女の子とお話をしました。二人とも小学校一年生です。夏休みのこと、宿題のことなど聞きもしないのにどんどん話をしてくれました。その後家へ帰りましたが、暫くするとまたやってきました。私は庭の草を引いていましたが、二人の女の子は私と話ししながら草を引いてくれました。東屋で一服し頂き物のもみじまんじゅうを3人で食べながらお茶を飲みました。「進ちゃん、明日も来るね」と言って帰りましたが、いやはや嬉しい女友達の出現です。私も女にもてるのだと改めて思いました。
「紫蘇を入れ やっと本漬け できました これから熟成 一年かけて」
「進ちゃんと 呼んでくれるか 女の子 俺もまだまだ 捨てたものなし」
「土用干し やっと終わって 盛夏なり 今年は天気 どこか変です」
「食えるのに クエン酸とは これいかに 馬鹿げたギャグで 人を笑わせ」