○春の準備
♪どこかで春が生まれてる どこかで芽の出る音がする 春よ三月~♪なんて、「どこかで春が」という歌を子どもの頃に口ずさんだような記憶があります。この歌のように春がそこまで来ているような感じです。三寒四温の巡りも活発になってテレビでは早くも桜の開花予想が今月17日ごろと第一回の発表さがありました。「ああ春か」とウキウキする心がある反面草丈が伸びる心配や春の準備が遅れている自責の念が頭を持ち上げ少し憂鬱な気持ちにもなっています。年末年始に痛めていた腰の具合も随分よくなり人間牧場へ行って農作業をしたいのですが、このところの忙しさでそれも適わず悶々の日々なのです。
一昨日の午前中少し時間が取れたので思い切って人間牧場へ行きました。人間牧場界隈は冒頭の歌のように確かに春の近づきを感じるように草の色が青くなり、進入道路のコンクリート舗装の上にさえ草が生えつつありました。昨年秋にイノシシがのたうった道の両側の崩れも美観を損ねているので思い切ってその作業から始めました。鍬で草をおごしテミでくぼ地へ運ぶ作業なのですが、やはり腰のことが気になって少しずつの作業しかはかどりませんが、それでも両側を含めると4分の1も道路を占拠していた草を除け土を取ったお陰で随分すっきりした道になりました。本当は一度にやりたかったのですが無理は禁物と途中で止めてそこら辺の枯れ木を集めてストーブに火を入れ、お昼の休憩準備をしました。
「野良なお前が珍しい畑仕事をするからこんなに寒いと」と苦笑する親父の話のように、この日はとても冷たい北西の季節風が吹き荒れ、山には薄っすらと雪化粧、しかも時折粉雪が舞うあいにくの天気です。じっとしていると足元から寒さが伝わってくるし、畑は前日の時雨で少々ぬかるんでいるようにも見えましたが、これ以上農作業を遅らすとジャガイモの作付けにも影響素するとあって、思い切って耕耘機を動かすことにしました。
この耕運機はまちづくりの仲間である大洲市田処の亀本耕三さんが、牛糞と一緒に昨年持ってきてくれたものです。斜面ゆえ耕運機を使う作業は腕や足に堪えますが、ガソリンを満タンにしてチョークを引き2~3度始動のための紐を引っ張ると、勢いよくエンジンがかかり、凄い勢いで耕し始めました。昨年は荒れた畑だったため約1週間もかけて鍬で丹念に作業したのに、僅か2時間で深耕し、今更ながら現代的機械の威力に脱帽しました。
もう少し温かくなったらこの耕耘機を収納する小屋も作らなければなりません。長男とはその算段を何度となくしているのですが、設計士の息子ゆえハードルが高く中々私の思う通りにはなりません。息子の試算だと40万円くらいかかるとか、投資金額の多さに耳を疑うのですが、資金源たる妻の首は容易に振れそうもなく、未だに決断しかねているところです。当面今年の人間牧場の目標はこの納屋づくりに合わせた奥戸さんづくりですので何とか資金を捻出して一日も早い完成を目指しています。
薪で風呂を沸かすようには出来ました。今度は薪で煮炊きが出来るようにすることです。特に薪でご飯を炊いたりしたいのですが、息子は石釜まで構想にあるようで、全て資金調達はオーナーなどとおだてられる私の責任なのです。でも先のことを思うと時間がないので、早く決断して夢の実現に一歩近づけたいものです。
農作業中もひっきりなしに携帯電話がかかってきてビジネス?もしなければならず困ったものです。農作業中頭上よりはるかに低い見下ろすような場所を海上保安庁のヘリコブターが爆音を響かせ行き来し始めました。一瞬何事が起きたのか驚きましたが、沖合いでつき磯のため石を海上投棄している作業を水質汚濁がないか監視しているようにも見えました。この沖合いでは海上自衛隊の大型ヘリが訓練のため日がな一日飛び交うこともあり、海上自衛隊の艦船も見学できるなど、見方を変えれば何かと面白い場所なのです。
「春が来た 草刈りはたまた 農作業 しんどい春も 頭をよぎる」
「去年は 鍬で一週間 今年は僅か 二時間足らず 耕運機偉い」
「土興す 草の根 早くも 動いてる 心痛めつ 前へ前へ」
「蜂ならぬ ヘリの爆音 驚きて 見下ろす海に 白き物体」