○足の踏み場もない程に
昨日は人間牧場始まって以来の大人数が押し寄せて来て、ご覧の通り狭い玄関口ではありますが足の踏み場もない程の混雑ぶりでした。それでも子どもたちは最初に玄関に入った子が靴を並べると、「右へなれ」でこうしてきちんと靴を並べてくれました。子どもは「おもしろ教室」に参加した38人(申し込みは42人ありましたが若干5名は欠席でした)で、スタッフを合わせると50人近い大人数なのです。大体この水平線の家にどの程度の人数が入るのかも分らぬまま集めたものですから、もうそれは大変でした。
長期予報が外れて外は昨夜来の雨で濡れてはいるものの、今日の「おもしろ教室」は強行しました。子どもたちは親や周りの心配を他所にみんな元気いっぱいで、まるで蜂の巣を突付いたような雰囲気でした。
開講式ではいつの間にか4年連続で実行委員長に祀り上げられた私が開講の挨拶をしてオリエンテーションをしました。その後は約30分子どもたちに「人間牧場構想」についてショート卓話をしました。人間牧場のいきさつや少年の頃の思い出を楽しく語ってやりました。中には小学校1年生もいて少々難しかったかも知れませんがみんな熱心にメモを取っていました。
「おもしろ教室」に連続で参加している見慣れた顔も沢山いて私のことを「進ちゃん」などと呼んでくれる嬉しい子どももいたりして、すっかりお友だちになりました。子どもたちは部屋の中から飛び出そうと何度も外のウッドデッキを気にしていましたが、あえて窓越しに見える水平線や島々の様子を説明してやりました。多分家庭でも学校でも毎日見える瀬戸内海の遠望の様子など教えてないのでしょう、盛んに私に「あの島は何ていう島なの」と聞いてくれます。「あの島の向こうに何があるのか」、この気持ちを持ってくれただけでも人間牧場の意味はありました。
驚いたことに子どもたちの中には水平線の家の壁に並べている沢山の本に目をやり、本を手にとって読んでいるのです。子どもたちには少々難しい本ですが、そのうち子供用図書も並べなければならないと思いました。「人間牧場に来てまで読書は」と想う人もいるかも知れませんが、本はあらゆる機会に読んで欲しいと思っています。
魚梁瀬杉のテーブルの年輪を数えたり、水タンクの音に耳を傾けたり、ロフトに興味を示したり、子どもたちは人間牧場の全てに予想以上の興味を示してくれました。
「あれは何 うるさいほどに 聞き返す 子どもはそれで 育つのですから」
「年輪を 数え驚く 子どもたち 時の流れの 尺度知らずに」
「蜂の巣を つつかんばかりの お客様 今日から友だち 進ちゃんと呼ぶ」
「糞小便 だけしか置かぬ この子らに 知恵を授ける 牧舎の一日」