○福袋
「ねえねえ、見て見て」外出先から帰った妻が大きな福袋を提げて帰ってくるなり私を居間へ呼ぶのです。何事かと思ったら何と福袋を開けていました。「この金額でこれだけ入ってるのだから安いよねえ」と私に相槌を打たせながら「あなたのために買ったのよ」と、私は頼んだ覚えもないのに押し付けがましく言うのです。
この状態は毎年正月の出来事として妻の行動を見続けてきましたが、「アーまた今年もか」と半分諦めています。女性は、いや妻はどうしてこうも福袋に憧れるのでしょう。毎年のことながら少し期間が経つと「やっぱり福袋は余り使えるものがない」などといちゃもんをつけて正月気分が抜けるのです。
それにしても最近の福袋は、金額からするとかなり高価なものが入っているようです。おまけに金額3千円以上買った人は福引が引けるそうで、妻は何と3千円の商品券を引き当てて「こいつは春から縁起がよい」とホクホク顔でした。結局はその商品券も買い物に同行した息子嫁にプレゼントしたのですから、計算の合わない高い買い物をしたとしか言いようがありません。
まあ福袋一つで目くじらをを立てることもないのですが、私はこの正月は金を全然使わない目標を立てていますので、妻の無駄遣いが何となくしゃくにさわって仕方がないのです。
正月のテレビ番組は何故かバラエティ番組ばかりで、飽きちゃいました。正月のおせち料理もまだ二日目なのにもう飽きちゃいました。妻の行動には飽きちゃうばかりか諦めました。
「正月は冥途の旅の一里塚目出度くもあり目出度くもなし」という句がありますが、今年の10月にはまた歳をとることになり、この句の意味が分かるようになりました。
年賀状は相変わらず多く、500枚出して約千枚来たのですから失礼をした人が多く、新春早々悩みがまた増えました。これも過渡期だと諦めています。年賀状を下さった全国の皆さん「ハッピーニューイヤー、若松進一は今年も元気」です。
今年の正月はゆっくり休みたいと、成人式の講演を依頼されても「あいにく予定があって・・・・」と断ってしまいました。9日までは人間牧場の山ごもりのつもりですが、仕上げないといけない原稿もあって休めそうにもありません。でもこんなにわがままな自分でいいのか、初めて味わう正月長休暇です。
「正月は何時まで休みと問われたら何時も休みと少し胸張り」
「口開けてお笑い番組見て過ごすこれで良いのか総アホ日本」
「福袋並んで買って持ち帰る束の間ワクワク変えればガッカリ」
「初夢は何を見たのか早忘れ俺もいよいよ認知されそう」