人間牧場

〇花咲き花散る春
 花咲く春に「いちゃもん」をつけるつもりは毛頭ありませんが、咲いた花は当然のようにアッという間に散ってしまいます。厳しい冬の寒さを耐えて咲く花々を思えば、「花の命は短くて苦しきことのみ多かりし」です。

 私は人間がひねくれているのか、咲く花も勿論好きですが、散ったり落ちたりした花姿も大好きです。一昨日人間牧場へシイタケの収穫に出かけました。1週間前に出かけた時には蕾だったスモモの花が、このところの温かさと雨に会って、早くも散り始めていました。

 花の下に目をやると、無数の花びらが地面に落ちていて、そよ風に乗って花吹雪が舞い、何か侘しくもそれでいて元気の出る風流な自然の演出に驚いたりしました。また家の裏には野生の藪椿の木が沢山あって、木の下の地面には沢山の椿の花が落ちていました。

 そこを通りかかると、私の頭の上に藪椿の花が一輪「ポトン」と前触れもなくごく自然に落ちてきました。手に取って持ち帰り、少し大きめの透明なグラスに水を張り、椿の花を浮かばせて机の上に飾ってみました。素晴らしい眺めでした。

「花の咲く 春は花散る 季節だと 裏と表を 同時に考え」
「スモモ花 桜吹雪で 散った後 地面にまるで 絵文字のように」
「家の裏 野生椿が 咲いた後 木々の下には 花のジュータン」

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