人間牧場

〇穏やかなこぼれび
 松山方面から帰る途中、曲がりくねった三秋峠を越えて双海町に入ると、パッと目の前に伊予灘の海が開けてきます。私はこの風景が大好きで、「帰ったぞ~」と声を張り上げ叫びたくなります。

 これまでにも何度路側帯に車を止めて、沈み行く夕日や移り行く海の姿を眺めて物思いにふけったことでしょう。三日前の夕暮れ時、この地を通りました。雲に隠れた太陽の弱い光が、放射線状に海に注いでいました。

 いつも思うことですが、太陽は地球から気の遠くなるような遠い所にあるので、注ぐ光は平行になるはずなのに、放射状に見えるのはなぜか?、疑問の館に足を踏み込んでいます。

 まるで天地創造の絵を見ているようです。沖合に浮かぶ青島や由利島、遠くは周防大島なども見えるこの姿を飽きもせず見ている私を見て、「何を見ているの?」と言わんばかりに横目で見もせず通りすがる車の何と多いことでしょう。

 

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