人間牧場

〇サインを書く

 最近は外国の影響でしょうか、印鑑を押さなくても「サインで結構です」という機会が少しずつ増えてきたような気がしますが、相変わらず日本では印鑑に頼る従来のやり方が主流のようです。契約や預金の引き出しなどは印鑑証明若しくは登録印鑑以外は使えませんが、簡易なものはそこら辺で売っている三文印でも通用するのです。考えてみればその人にしか書けないサインより、三文印でも印さえ押せば本人とみなされるということは可笑しな話なのです。

P1070063 3日前私が塾長を務めている年輪塾の集会が松山市駅近くの「蔵」という居酒屋でありました。今回の集会の講師は二宮金次郎の七代目の子孫中桐万里子さんでしたが、テキストは致知出版社が発行している中桐さんの自著本、「現代に生きる二宮翁夜話」でした。塾生20人は多分現代ですからPCを使いアマゾンで買ったものと思われる本を持参していました。少し休憩時間があったので、私は相席のよしみで、自分の本に中桐さんにサインを求めました。快く応じた中桐さんは表紙裏に「感謝を添えて 中桐万里子」と、サインをしてくれました。

 他の仲間も堰を切ったように私に見習い、サインを書いてもらいましたが、中にはあつかましくも自分の名前を為書きしてもらったり、記日までねだっていました。プレミアムを意識してのことでしょうが、かくいう私も自著本を何冊か出していて、時々人間牧場でサインを求められることがあるのです。自称字の下手糞な私は多少戸惑いながら、求めに応じその気になって殴り書きのようなサインをするのですが、中桐さんのような有名人とは違い、赤面この上ない出来栄えです。それでもこれぞオンリーワンだと自分で納得してせっせと書いているのです。スポーツ選手や芸能人ならいざ知らず、私のような田舎のおじさんのサイン等何の意味もないのですが・・・・。それでも最近は友人が「サインに使ったら」と、ゴム印や篆刻印まで用意してくれました。下手糞な私のサインでも、落款印を押すとそれなりに見えるから不思議です。

  「買った本 著者のサインで 古本屋 売れなくなること 承知でしょうか」

  「下手糞な 自分のサイン 自著本に 書いてとせがまれ しぶしぶ書くが」

  「下手糞な サインに落款 印押すと まるで達者な 文字に変身」

  「そういえば サインの練習 すべきだと 筆とり書くが 俺には無理だ」

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