人間牧場

〇ジャガイモの話

 昨日宇和島市三浦水ヶ浦に住む親友藤田さんから電話が入りました。耕して天に至ると形容される生活文化遺産水ヶ浦の段々畑では、早くもジャガイモの早掘り収穫が始まったようです。同じ四国愛媛県に住みながら、私たちの地方ではまだジャガイモは芽吹きのころだというのに、何という収穫時期の差でしょう。
 聞けば宇和島市三浦半島は宇和海に面していて、黒潮の流れ込む温暖な地域です。加えて段々畑に使っている石積みに黒潮の暖かい気温と太陽の熱が保温され、ジャガイモの生育を早めるようです。早掘りジャガイモの産地は長崎です。長崎は宇和島市三浦とよく似た気候風土で島や半島が多く、地理を活かしたジャガイモ栽培が古くから行われて来ました。

伸びてきた家庭菜園のジャガイモ畑
伸びてきた家庭菜園のジャガイモ畑

 ジャガイモはもともと東南アジアのジャワが原産ですが、オランダやポルトガルの貿易船が交易の際、長崎出島へ持ち込んだのが始まりとされています。ジャワ芋がジャガイモに名前を変えて全国に広がりました。春先のジャガイモは大きいものよりくず芋のような小さなものが好まれるようで、小さくても値段が高いようです。薄皮が剥けるのも大きな特徴で、春ジャガの香りは何ともいえないホクホクな味がするのです。
 一方ジャガイモの産地には北海道があります。北海道の広大な土地でできるジャガイモは秋ジャガで、男爵という名前がついています。これはアメリカの男爵が明治時代に持ち込んだもので、長崎出島系とは品種が異なり大きい芋が好まれます。小さいものはクズとなり、でんぷん等の原料になるそうです。

 私たちの地方は冬でも暖かいため春と秋の2シーズン、ジャガイモが収穫できます。春ジャガ、秋ジャガと呼んで区別していますが、私が子どものころ祖母はこうしたことを知っていたのか、1年に2度採れるから2度芋と言っていました。
 昨日私は雨上がりの畑に入って、伸び始めたジャガイモの芽かきを行ないました。元気な種芋は芽を幾つも伸ばしています。そのままほおっておくと、幾つもの芽に養分を取られて根に着く芋が大きくならないのです。折角伸びた芽をカッターで切り取るのは、何か勿体なく忍びない感じもしますが、1本から3本までに芽かきをして回りました。早いものはもう30cmの高さに背を伸ばしています。あと1ヶ月もすれば梅雨間近な時期に、ジャガイモの収穫が始まります。今年は人間牧場へも植えているため、ジャガイモの収穫がとても楽しみです。

  「ジャガイモは ジャワイモなまり 今がある なるほど納得 男爵納得」

  「一年に 二度も収穫 二度イモと 祖母が言ってた なるほど納得」

  「春ジャガは 小さいものも 価値がある 間もなく届く 早掘り待とう」

  「伸びた芽を 一つ二つと 欠いて行く 勿体ないと 思いつ作業」

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