人間牧場

〇昨晩は楽しいひと時でした

 昨日は午後から久しぶりに所用で県庁を訪ねました。人事異動のあった部署も沢山あって、持ち合わせた名刺が足らなくなるほどでしたが、短い時間に10課ほどを回り、あいさつを済ませました。もうこの歳になると私を必要とする部署等殆どないはずなのに、色々な仕事の絡みもあって、必要最小限度外せない所もあるようでした。
 午後5時に年輪塾の浜田さんと待ち合わせして、和楽笑明神という居酒屋へ行きました。このお店は愛媛新聞カルチャースクールで今年3月までの2年間、私が講師を務めた街中の移動年輪塾の受講生だった明神紋子さんがお母さん、お姉さんの3人でこの日松山2番町にオープンした店なのです。座敷と止まり木のあるこじんまりとしたお店でした。

 14年前から酒を飲まなくなった私は、会合の後の食談や懇親会を除けば、飲み屋へは殆ど覗いていないため、久しぶりの居酒屋は新鮮な感じがしました。実は明神さんのお母さんは、私が23歳の時、NHK青年の主張に応募して原稿審査をパスした折、一緒に原稿審査をパスしていたことを、浜田さんを通じて知らされていました。もう40年を越えた半世紀も前の出来事なので、お失礼ながら顔も名前も覚えていませんでした。ひょんなことからカルチャースクールで娘さんの紋子さんと知り合いましたが、人の縁の不思議と世の中の狭さを感じたものでした。
 昨日46年ぶりに居酒屋でお母さんと出会いました。少しだけ心がときめき感激の面持ちでしたが、厨房で忙しく調理をしていたため、会釈程度のあいさつで言葉も交わすことは叶いませんでした。

 私はお品書きの中から、カツオのたたき、きんぴらごぼう、冷奴を頼み、生ビールや冷酒を飲む浜田さんを他所に、ノンアルコールのビールを飲みながら1時間余り歓談してお店を出ました。普通であればここで帰るところですが、少し気分が高まっていたのか、昔馴染みの六五呂という昔私が行き付けだった居酒屋へ立ち寄りました。10年ぶりだというのにママさんもお客さんの中の一人も、私の顔と名前を覚えてくれていて、昔話に花を咲かせました。過去は時として蘇ります。この店に足繁く通っていたころは、私が最も輝いて生きた時代だったため、多くの人と連れ立って立ち寄り、時にはカラオケを歌い、大いに飲みながら夢も語りました。もうあんな時代は望むべきもありませんが、私の良き思い出として心の中に、これからもずっとずっと終っておこうと思っています。昨晩はとても良い一夜でした。

  「県庁の 各課を回り ポケットの 名刺を配り 近況報告」

  「居酒屋の 開店誘われ 客となる いささかなりの 祝い届けて」

  「若い頃 青年の主張 選ばれた 少しのご縁 顔も名前も」

  「酒止めて とんとご無沙汰 居酒屋に 10年ぶりに 訪ねてあいさつ」

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