人間牧場

〇蜜蜂の分蜂季節がやって来ました

 先日自宅横の家庭菜園で畑仕事をしていると、何やらブンブン音がするのです。ブンブンの方向に目をやると、裏山の椿の木の近くへ蜜蜂が忙しそうに足繁く出たり入ったりしていました。仕事の手を休め近くに寄ってみると、薮の中に蜜蜂の蜂球ができていました。経験からこれが蜜蜂の分蜂と思い、頭・顔に麦藁帽子と棒虫ネットを被り軍手をして、お米を入れる紙袋を持って近づきました。蜜蜂を飼い始めてもう6年目になりますが、この瞬間が今でも一番怖いものの一番嬉しい瞬間なのです。ブンブン羽音を立てる蜂球の中へ手を突っ込むのはとても勇気のいることです。左手で持った口を広げた米袋の中へ、利き手の右手で蜂球をドサーと落すと、蜂は驚いて逃げ惑うのですが、有無を言わせず米袋の口を塞ぎ、用意した巣箱を横倒しにして入れ込むのです。

やっと巣箱の中に納まった蜂球
やっと巣箱の中に納まった蜂球

 蜜蜂は箱の中へ入るまいと必死に飛び交い、私の体に容赦なく何匹もの蜜蜂がくっつき、中には防虫ネットめがけて突進してくるのです。やがて蜜蜂は暗い巣箱に入って行きますが、いつまで経っても私の服や手袋にまとわりついた蜜蜂もおり、いつも最後にその蜜蜂に刺されて痛い思いをするので、今回はシュロの箒で優しく丹念に払い落とし、20分ほどで巣箱の中に入れましたが、使った巣箱は私が昨年秋作った新しい巣箱だったため、半日余りすると外に出てしまい、結局私の苦労も水の泡となり、落胆の色ありありでした。人間は畳の新しい新居を好みますが、蜜蜂にとっては新居より住み慣れた古い巣箱の方がよリ心地が良いようです。

 明くる日の朝、毎朝庭で木刀の素振りをすることを日課にしている同居の息子が、「お父さん裏山の斜面に何やら蜂が沢山集まって止まっている」と知らせてくれました。前日の傷心の面持ちが再びときめき始め、同じよな出で立ちで米袋に蜂球をすくい入れ、今度は古い空き家の巣箱に入れてやりました。案の定その蜂球は巣箱に居座り、何とか入居をしてくれたようでとりあえずホッと一息です。
 蜜蜂もいよいよ分蜂の季節を迎えています。今年は自分で作った巣箱を壊れた巣箱に替えて4個増やしたため、入居が心配です。実験のつもりで越冬をした巣箱の下に、重箱型巣箱を作ってかさ上げして増量を試んでいますが、今のところその箱は順調に出入りしているようです。
 蜜蜂の井上登師匠から、そろそろキンリョウヘンが咲き始めたので、設置を何時にするか今朝メールが入りました。早速人間牧場の状態も合わせて近況報告し、出会いの日をセットしたいと思っています。

  「蜜蜂の 分蜂の時期 迎えたり 何かとワクワク ドキドキの日々」

  「蜂球の 中に手を入れ 掬い取る 米袋内 大騒動で」

  「新居嫌 古い巣箱が 気にいって 蜜蜂せっせ 巣作り始め」

  「米袋 中で蜂たち 討議する ブンブン羽音 六六討議」 

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