人間牧場

○子ども体験塾始まる(その3)

ピザ釜でピザを焼く松本さん

 子どもを集める行事やプログラムは何かと気を使うものです。特に安全には気を使わなければなりません。それは私たち大人と子どもの全てが違うからです。大人の体力から考えれば40分の山道歩行などどおってことはないし、マサカリで薪を割ることも子どものころに体験済みなのですが、通学くらいで余り歩かなくなった子どもの中には、かなりきつい子もいるようでした。ましてや薪など自分の日々の暮らしの中にはまったくなく、マサカリを始めて見たり、マサカリで木を割ることも始めての体験なのです。ゆえに私たちが当たり前と思っていた薪割り作業が一番人気があったのには驚ろいてしまいました。

作業小屋赤とんぼの家でピザ作りに挑戦

 今回の子ども体験塾で労力を費やしたのは、去年人間牧場に設置したピザ釜を利用して、子どもたちにピザを作る実習をさせ、焼いて食べさせることです。この日は昨年の夏ピザ釜を造ってくれた松本さんと築炉指導をした戸田さんの二人に加え、地方局の前神さん、地域づくり応援隊の冨田さん、それに双海人の浜田さんが仕込から火入れ、焼く作業まで一手に引き受けて指導してくれました。松本さんは人間牧場のピザ釜、戸田さんは自分の移動式ピザ釜を人間牧場へ持ち込んで築炉したピザ釜に、付きっきりで対応してくれました。運よく曇っていたとはいいながら、火を使って一人一枚のピザを人数分だけ焼く作業は重労働で、70枚以上のピザを焼き上げたようです。

ピザを頬張る子どもたち

 人間牧場のピザ釜は完成してから一度だけ試験的に使いましたが、本格的な利用は今回が初めてです。本当は私もピザ釜の火入れや焼き方などの全てに関わって、マスターしたかったのですが、実行委員長ということもあって、運営に手を取られてまったく手伝いができなかったのです。それでも火入れの様子や焼き具合等はつまみ食いをしながら適当に学ばさせてもらいました。
 この日はピザ釜を使って、様々なピザに挑戦するプロジェクトも松本さんたちがスタートさせていて、子ども体験塾終了後も熱心に実験研究が行なわれていました。私も折角できたピザ釜を燻製等に使えないか考えていて、楽しいことがこれから始まりそうなのです。

ピザプロジェクト実験研究もスタート

 子どもたちにとっては、ピザ一枚はかなりの量だと思いましたが、歩行訓練や芋つる植え、薪割りなどで大いに体力を使っていたため食欲旺盛で、高学年の子どもは本部の分まで狙って食べていました。昨年はかまどで炊いたご飯と味噌汁が大好評でした。今年もピザ焼きは大好評でしたが、その裏で生地の仕込からトッピング具材の調達、焼く作業まで、やはり食べることの世話は大変なようでした。それでも子どもたちの「美味しい」という笑顔の一言が皆さんを大いに喜ばせていたようです。
 子どもたちは感想文を書いて、午後2時元気に歩いて下山して行きました。何はともあれ満足の行く第一回目のプログラムは多くの人に助けられて無事終りました。

  「安全は 何より優先 肝命じ スタッフ一同 今年もやる気」

  「ピザ釜に 付きっきりして ピザを焼く 破顔一笑 美味い美味いと」

  「ピザ焼きを マスターしたい 思うけど 別のやること 沢山あって」

  「ピザ釜の 調子はどう?と 訪ねれば 絶好調と 言葉が返る」

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