○買い求めた漆塗りのお椀
人間牧場にかまど小屋ができてから、餅をついたりご飯や味噌汁を炊いたりして楽しんでいますが、昨日尾道へ行ったついでに街中を散策した折、一軒の陶器店の店先で漆塗りのお椀を見つけました。かまどで炊いたご飯と味噌汁を食べるためのこだわりにしようと思ったのです。最近はこの手のものもプラスチック製品が多く、また少し安いなあと思えば東南アジやからの輸入品で、目利きの効かない素人の私などは迷ってしまうのです。だからといって店の奥の陳列ケースに収まっているような高価なものには手が出ず、ついつい特価、大安売りなどの張り紙に目移りがしてしまうのです。
私は毎日のように出歩き、時には県外へも足を延ばすのですが、親父が「息子はお土産を買ってこない」と嘆くほどお土産物には手を出さないのです。しかし昨日は前日のようなかまどのこともあってお椀についつい手を伸ばし、手にとって買い求めてしまったのです。買い求めたといったって別に高価なものではなく、ひとつ千円のお椀を二つ買っただけなのです。でもこれは掘り出し物だと思ったものですから、意気揚々と手に提げて大事に持ち帰りました。
自宅へ帰り妻に見せると、「私のお土産じゃあなかったの?」と言われましたが、「いいものを買ったね」と褒めてくれました。しかし値札を張っていたので、その安さに少しがっかりし、「茶器にでもしてお菓子を盛るのに使おうかとも言われました。妻の言うのには「塗り製品の安いものは直ぐに光沢が無くなるのだそうです。いいものは使えば使うほど深みが出てくるらしく、「安物買いの銭失い」と言わんばかりの評価に少しがっかりしましたが、早速近々にご飯と味噌汁で試してみたいと思っています。
最近妻が何の心境の変化か、掃除がてら衣類など古いものを処分しているのです。これまで大事小事にしまっていた子どもたちの思い出の詰まった衣類などが、置き場が無くなったことが原因のようだし、息子たちも独立して必要なくなったこと、更には夫婦の暮しもそろそろ変えなければならないと思っているようです。
ひょっとしたら、古くなった私も処分の対象になってるかも知れない(笑い)と思いつつ、今日もゴミ袋ひとつの衣類がローカの隅に置かれ、週末のごみ出しの日を待っているのです。
「これはいい 思って買った 漆塗り 妻は冷ややか 拍子抜けする」
「この椀に ご飯味噌汁 入れて食う 想像だけで 喉がゴクリと」
「妻の買う 当たったことない 宝くじ それよりましと 反論したが」
「もし俺に 千円やるから これ作れ 言われて出来ぬ 安いものだと」