○孫朋樹の誕生日
11月23日は勤労感謝の日で国民の祝日です。7年前のこの日、私たち夫婦にとって初めての孫が誕生しました。私はあいにくお産に立ち会うこともなく講演のために新潟へ向かう上越新幹線の車内にいました。孫誕生の知らせは越後長岡辺りを走っているころ妻から携帯電話で第一報を受け、縁もゆかりもない周りの乗客から祝福の拍手を沢山いただいたことを覚えているのです。
早いものであれから7年の歳月が矢のように過ぎ去り、孫朋樹は順調にスクスクと育ち、今では小学校一年生となっているのです。小さいころから娘が勤めていることもあって、私たち夫婦も何かにつけて面倒を見てやり、私の良き相棒となっていたのですが、二年前に弟尚樹が生まれ、朋樹は近所に友だちが沢山できたため愛撫う役はむしろ尚樹の方に移って、最近は学校へ行っていることもあってご無沙汰加減なのです。それでも今年の夏はわが家の低鉄棒で逆上がりができるようになったり、自転車にも乗れるようになったり、それなりの手助けをしてきました。
私が茨城県桜川市へ出張していた留守中に止まりに来ていたため、帰宅後一日早い誕生パーティをすることになりました。一六に頼んでいた小さなバーズデーケーキを取って帰り、食卓の上に置いてローソクを7本立て、灯りを消してローソクの火だけにしました。
やがてみんなでハッピーバーズデーツーユーの歌を歌い、朋樹が一気に息を吹きかけローソクの火を消しました。5人の拍手に朋樹は嬉しそうでした。また言葉を覚えた2歳の弟尚樹も「おめでとう」と盛んに拍手を贈っていました。
自分の加齢で衰え行く体力に比べ、孫の成長はまるで雨後のタケノコのように日増しに成長してすっかり逞しくなってきました。それはヒナ鳥が巣立ちをするのと同じようで、私たちや親の元から離れて行くのと同じで、少しさみしい気もしますが、動物とはそのようなものなのです。
昨日は誕生日に合わせて二段ベットを買ったらしく、いつもなら夕方食事をして帰るのにさっさと引き上げて帰って行きました。お父さんと二段ベットを組み立てたらしく、夕方電話で嬉しそうな弾んだ声が電話の向こうに聞こえていました。昨晩は二段ベットの上でどんな楽しい夢を見たのでしょう。
「孫朋樹 七歳誕生 わが家にて ケーキ火をつけ みんなで祝う」
「逆上がり 自転車だって 乗れるよう 日々逞しく なりて嬉しや」
「七本の ローソク一気 吹き消して 拍手まんざら はにかむように」
「よし俺も 孫の成長 負けぬよう 空元気だし 腕をまくりぬ」