○新しき仲間たち
私には数えても数え切れないほどの知人友人がいます。遠い人近い人、古い人新しい人、出会う人出会わない人、手紙を出しあう人出し合わない人、影響を受ける人受けない人などなど様々ですが、60歳になってから親密になった新しい知人友人もいます。私たちの町は田舎です。故に第一次産業といわれる農業や漁業、それに近隣の松山などに勤める以外はこれといった働き場所が余りないため、ふるさとで暮らしたり働きたいと思っても適わず町を離れていますが、60歳の定年を機にふるさとに帰って来た人も何人かいて、その人たちは今までの不義理を謝るように地元の役を受けるのです。しかしそのブランクが余りにも多かった人は戸惑いと落差、それに田舎が故の煩わしい人間関係に翻弄され悶々の日々を過ごしているのです。
そんな人と集会で会うと、テキパキとその役職をこなす私などは羨望の眼差しで見られてしまい、すっかり信用されお友達となるのです。その人たちは私にとっても新鮮で、これまでの知人友人にはないタイプの人間が多く、同感同調しながら何かと理由をつけて出会うのです。
昨日は、2ヶ月に一回の限界集落勉強会が人間牧場でありました。旧伊予市から、そして旧双海町から10数名が集まりました。約束した旧中山町からは遠隔地ゆえの敬遠か一人も参加がなかったことは少し残念でしたが、県会議員の泉圭一さんも来ていただい、かなり突っ込んだ話をしました。今回の双海での勉強会は最初地元の人の話しを聞こうと思っていましたが、その予定者が都合がつかず結局は、えひめ地域政策研究センターの松本さんに資料を集めてもらい、松本さんに話題提供をお願いし、私が私見を交えたコーディネーターとなって勉強会を行いました。
夏の人間牧場は室内に電気をつけると無数の虫が「飛んで火に入る夏の虫」さながら集まってくるので、手提げの懐中電灯を真ん中にすえ置き、まるでローソクのような細い光を便りの車座での話となりました。いやあこれが中々風流で、こんな会議も悪くないと思いました。限界集落の問題は奥行きや悩みがとても深く、2回や3回の勉強会で結論が出るというものでもなく、また行政の悪口を言い合っても何も解決できないので、出来ることから始める、自分から始めるを合言葉に話し合いを続けていますが、これもた中々上手く行かないようです。でも私自身この勉強会はまだ3回目なのですが様々な事を学びました。そして自分の生き方の整理が出来つつあることを内心嬉しく思っているのです。そしてこの勉強会を通じてふるさとの将来を思う新しい人たちに出会いました。
会終了後、伊予市の方が帰った後で、双海町の人たちだけでお喋りをしました。松本さん以外は私が酒を飲まないため、妻の用意してくれたビールと乾き物のつまみで懇親会です。ウッドデッキに車座になり、夏の夜空や海に浮かぶ漁火、それに眼下松山の夜景を遠望しながら楽しい交流となりました。
参加した人の殆どは新しい友人なので、話が新鮮です。また学ぶことも多く今後の参考になるような逸話を随分聞きました。
午後6時から始めた勉強会は2時間半、懇親会は何と2時間にも及びました。用意した缶ビールが全てなくなったのでお開くとさせてもらい、私は満席の4人をそれぞれの家まで送り、わが家へ着いたのは11時を回っていました。いい一日でした。
「新しき 友人増えて また楽し 夜涼みながら 酒酌み交わす」
「新しき 友はこれまた 新しき 話題提供 学ぶことあり」
「ふるさとに 楽しく生きる コツは何 宿命じゃなく 運命開く」
「違う道 歩みし知人 ここに来て 同じ道行く 同行数人」