○わが家はまるで蜂の巣をつついたよう
一ヶ月に一度くらい、わが家へは長女の家族と長男の家族が泊まりにやって来ます。娘や息子はどういうことはないのですが、娘や息子に連れられて3人の孫がやって来ると、わが家はまるで蜂の巣をつついたような賑やかさです。孫朋樹君は5歳ですから随分成長して聞き分けがよく私の相棒と呼ばれるようになっていますが、孫尚樹君は1歳2ヶ月、希心君は10ヶ月なので、まだまだ大人や子どもどおしのコミュニケーションが通じず、泣きたい時に泣き、寝たいときに寝て、食べたい時に食べるといった気ままな年齢なのです。最近はおもちゃで遊び、人に抱かれることの快感も覚えてきましたが、故におもちゃも人間も独り占めしたいようで、少しでも自分が相手より大事に扱われないと、本気で泣いたりするのです。
娘の家族は娘婿が出張したらしく金曜日に泊まりに来て2泊3日です。息子の家族は土曜日にやって来て1泊2日なのですが、土曜日の夕方から娘が同窓会があるらしく、孫二人を置いて出かけて行きました。私は仕事で留守にしている妻に代わって、北海道から来た視察団の一行が帰ると直ぐに家に帰り、孫の守りです。最初は孫も可愛いなあと思うものの、夕方になると少しぐずって中々言うことを聞いてくれません。そのうち妻が帰り食事の準備をして夕食を食べさせ、夕方やって来た息子の家族と合流したものですからさあ大変です。片方を抱くと今度は自分を抱いて欲しいと泣くし、子トラが泣きたいくらいでした。
それにしてもこの二家族が来ると、二階と一階はまるでタコ部屋のように布団で埋め尽くされます。妻は食事の後片付けもそこそこに順番に風呂に入れ、寝かせるのですが、日常と勝手が違うためか、孫たちは興奮して中々寝付かないのです。妻は仕方がないので抱いて夕涼みがてら外に出てあやすのですが、ウトウトするものの寝かせると又起きて泣くのです。
娘の帰りがいつになく遅く、結局は10時近くになって帰りました。私は「子どもをほったらかしてどういうことだ」と少し不満をいって娘を叱りましたが、長男がたしなめて納まりました。
それにしてもです。妻は偉いと思いました。私など孫の面倒を見たと威張ってもほんの少しの時間です。妻たるや、全員の食事の世話、孫の食事、布団の用意、風呂に入れるなどなど、数えればきりがないくらいの働きです。しかも今は職場の都合で日曜日だけの休日で、そのたまの日曜日も娘・息子の二家族は夕食まで食べて帰るのですから大変なものです。それでも孫や子供が来ることを喜び、自分のことなど二の次です。
私もそんな妻を偉いとは思うのですが、昔人間であり、駄目亭主のレッテルを貼られている私は、感謝の言葉のひとつもいえず、相変わらず亭主関白の言動なのです。昨日は私も今治市富田自治会に招かれ講演に行き、夕方帰ったため二人とも疲れていたのか、テレビを見ながらついウトウトしてしまい、気がついたら12時を回っていて、テレビをつけ電気をつけたままで、妻も私も慌てて終身と相成りました。忙中閑なし、それでも子どもや孫と泣いたり笑ったりの声を聞く度に、ささやかな幸せを感じています。
「孫たちの 泣いたり笑う 声聞けば まるで蜂の巣 高周波音」
「月一度 これも務めか ご苦労さん 妻はせっせと 子孫のために」
「しみじみと 歳を取ったね 言う妻の 疲労ありあり 日曜の夜」
「気がつけば テレビ電気を 点けたまま ついウトウトと 時計は回る」