○北海道は遠い国から
日本の国にあって、北海道といえば遠い県、しかしその遠さが故に一度は行って見たいと思う人は多いのではないでしょうか。私もそんな思いもあって過去に何度か北海度を目指しました。最初に北海道へ行ったのは私が23歳の時でしたから実に40年も前の出来事です。当時私は青年団活動に身を投じ活発な活動を展開していました。その際たるものは第14回NHK青年の主張の県代表になったり、双海町の青年団長として理想を掲げて縦横無尽に走り回ったりするほどでした。そんな私を見て町の教育委員会は、愛媛県が実施している国内研修北海道班のメンバーに推薦してくれたのです。幸いにも選ばれる幸運に恵まれ約10日間の長い旅路の人となりました。当時は今と違って陸路が一般的でしたから、私たち一行は大阪から日本海沿いを夜行寝台特急「北斗号」で北海道を目指したのですが、今ならカシオペア号などに匹敵するもので、何とも贅沢な旅なのです。青函連絡船を乗り継ぎ始めて北海道に足を踏み入れた時の感動は今でも忘れられない思い出のひとつです。
その後札幌オリンピックに愛媛県の青年代表として派遣され皇太子ご夫妻と食事を共にしたり、様々な旅行プランに乗って何度となく北海道へ行きました。最近では北海道の各地から講演の依頼もあって、昨年だけでも2度も講演旅行に出かけているのです。
しかし昨日は、北海道の人28名がよりにもよって双海町を目的地に選んで視察に来たのです。3年前に道漁婦連、つまり北海道漁業協同組合連合会女性部の皆さんが双海町を視察されました。そのご縁で今回の交流となったのです。その時は私は教育長でしたが愛媛県漁婦連の会長をしていた双海町の富岡部長さんの依頼で視察者にショート講演を行いました。その印象が忘れられずもう一度是非と、リタイアしているのにお声がかかったのです。
今回の視察者は北海道といってもこれまた北の果て知床半島の付け根羅臼からの来訪なのです。女性部長の田中郁子さんは前回の来町の時にお会いしていたので嬉しい再会です。研修は和気藹々、じゃこ天やたこ焼きを食べたりお喋りしたりしながら旅の疲れを癒しました。
研修や昼食を終えた一行はシーサイド公園で記念写真を撮ってから、わが家を訪問されました。皆さんからは人間牧場の視察要望が出されていましたが、大型バスなので断念し私設公民館煙会所と海の資料館海舟館の見学となったのです。私費で整備した施設だけに皆さんは一応に驚きの連続でした。せっかく四国に来たのだからと、菜園横の果樹園に案内し甘夏柑の収穫をさせてあげました。まあ喜んだこと、見ていた私もこれほど喜んでいただくとは予想外でした。私たちが北の国でりんごの収穫をして驚くのと同じだったようです。
この日私は実行委員長をしている少年少女おもしろ教室への参加を予定していましたが、富岡さんのたっての願いによって、北海道のお客様を迎え、皆さんにショート講演をする事になりました。富岡さんの話と私の話で1時間ほどでしたが、皆さんは一応に満足して帰って行きました。梅雨の明けた四国の暑さに汗を拭きながら、汗だくの研修はよき思い出になったことでしょう。帰り際、「羅臼で是非講演を」とのお誘いがあって、実現すれば羅臼も訪ねてみたいと雲を掴むような淡い期待を抱きました。
「北来たよ 羅臼昆布を 手土産に 漁村の女性 こんな田舎に」
「梅雨明けの 暑さ汗拭き 北の人 物好きですね こんな田舎に」
「是非来てと 羅臼の女性 ラブコール 俺も男だ その気になって」
「甘夏を キャーキャーいいつ 摘み取って 手土産帰る 色白女性」