○ハラハラ・ドキドキ・ジーンのハプニング
この二日間大阪を経由して三重県伊賀上野へ行ってきました。伊賀市については別にルポする事にしていますが、帰り道とんでもないハプニングに出会いました。私は全ての研修を終えて会場となったウエルサンピア上野を皆さんの見送りを受けて格好よく出発しました。往路は大阪から伊賀上野までJRを使いましたが、帰りの復路は伊賀市商工観光課の永岡紀子さんが立案してくれた行程表に沿って近鉄を選んだのです。ウエルサンピア上野の職員さんに伊賀神戸まで送っていただきましたが、永岡さんの時刻表だとまだ時間があるだろうと思いきや、伊賀神戸の駅構内に入ると何やら騒々しいのです。聞けば列車と架線の故障で上りの電車は動いていないそうで、とりあえず「名張まで乗ってください」というのです。訳も分らず出発しそうな列車に切符も買わず乗せられました。しかし名張の駅間近になると信号の指示によって停車が長く続き、20分以上も電車の中に閉じ込められました。やっと着いたと思った名張の駅は上りの列車を待つ人で溢れごった返していました。駅員さんも汗だくで対応に追われ、乗客も帰りを急ぐ苛立ちを隠しきれず、険悪なやり取りも随分ありました。
私はその後の予定、つまり今日の午前中どうしても片付けなければならない要件があるので、新幹線で新大阪から広島か岡山へ帰っておかなければならなかったのです。そこで泊まれば朝早く経てば10時までにふるさとへ帰れる算段でした。主催者にそのことを告げると心配するので内緒にしておいたのですが、私の苛立ちもそこから次第に高ぶってしまいました。
担当者の伊室さんに電話をかけました。皆さんは研修会後の懇親会で酒を飲んでいて身動きが取れないようでした。伊室さんはタクシーで伊賀上野まで引き返しJRで乗るよう勧められましたが、名張の駅前はかなり混雑していてタクシーなどないのです。結局はお酒を飲んでいる企画振興部次長西岡さんが奥さんの運転で名張を目指しているとのことでした。都合よく名張駅の東口で落ち合い、それから約1時間西岡次長さんの知りえたもっとも最短距離と思われる山道・裏道を走り、見覚えのある奈良公園を通って奈良駅へ午後10時に着きました。この道をお二人でまた伊賀まで引き返さなければならないのかと思うと心が痛みましたが、お言葉に甘えてしまいました。時刻表を見れば電車の行き先に大阪はなく難波まで、しかも駅員さんに聞けば新大阪まで午後11時30分到着絶無理との答えでした。
とっさに思いついたのが駅前に止まっている一台のタクシーでした。戸を開けて聞いたところ高速を使えば何とか間に合いそうだというので藁をもすがる思いで飛び乗りました。かくして私は無事新幹線の人となったのです。
その後は広島に泊まり早立ちで一番の高速船を乗り継ぎ、綱渡りの帰郷劇は終わったのです。
永岡さんの近鉄利用の計画から、伊室さんの電話指示、西岡次長さんご夫妻の心温まる見送り、タクシー運転手さんの機敏、そして私の判断と、幾つものマイナスを乗り越えた旅先での今回の帰郷劇は、まさにハラハラ・ドキドキ・ジーンの連続でした。できうることなら余裕を持って旅のプランを立てたいと思っていますが、今回は自己責任ではないにしても多くの人に大変な迷惑をかけてしまいました。ブログ画面を通じてお詫びし、お礼とさせてもらいます。
「動かない そこから始まる 深夜劇 多くの人の 支えでやっと」
「旅先で 土地勘もなく 途方暮れ 温情すがり ハッピーエンド」
「今頃は 夫婦二人で 来た道を 車窓に顔が ちらりほらりと」
「この長い 夜の出来事 忘れない 世の中人は 信ずるものぞ」