○旅先での携帯電話
旅先だというのに携帯電話が鳴りっぱなしでした。私の携帯電話の番号は名刺などにも刷り込んで公表をしているので、かなりの人が知っています。でも私にかかってくる電話は間違い電話以外は殆ど知人友人からなのです。それ以外にも私の家へ電話し急ぎの用件がある場合は運よく妻がいれば聞き出してかけてくるのです。
昨日は紋別の市民会館での講演中何と10本もの電話が入って正直困りました。講演のために壇上へ上がっている時ズボンのポケットのマナーモードがジャンジャン鳴るのです。ワイヤレスマイクだとこのバイブレーターの呼び出し音を拾うため、私が話をしているのにマイクがガ-ガ-と音を立てて聞き取れなくするのです。これには困って、ついに講演を中断して電源を切ってしまいました。
やがて講演が終わりましたが、静かになったと思ったら携帯電話の電源を切ったままで、入れ直すのをすっかり忘れていたのです。着信順に電話をかけなおすのですが、これがまた時間がかかって、相手にしかられる始末です。
妻からの電話も多いようです。「今何をしているの」から始まって、「天気はどうか」「風邪を引かないように」「ご飯はちゃんと食べたか」「あまり無理をしないようにちゃんと早めに休むように」などなど、タブ先での私を気遣って電話をしてくれるのです。「うるさい」ようでもあるし、「「うれしい」ようでもあるし監視をされているようで複雑な気持ちです。
福井に到着する前、列車の中に高知県馬路村の木下課長さんから電話が入りました。車内での電話はご法度なのでいったん電話を切り、福井の駅に着いたので電話おかけ直しました。何でも「馬路村の春を演出するために菜の花を蒔きたいのでアドバイスが欲しい」とのことでした。「えっ今頃?」と思いました。今年はいつもの年寄り気温が暖かく、暖地の高知県なので可能かも知れませんが、少々遅いようです。彼は私の若いころと同じように、思い立ったら行動するタイプなので、仕方がないと思いつつアドバイスをしました。明後日に観光カリスマ塾でやって来るのでその時詳しい話をしてあげたいと思います。
もう一人深刻な電話が電車の中でかかってきました。ある町のある女性の友人からでした。彼女のご主人はある町の役場に勤め、合併した後は市役所職員になったのですが、小さな町役場時代と違い、意に反して本庁の勤務になったよですが、市役所の体質になじまず、ご主人が市役所を辞めたいというのだそうです。そこで相談に乗って欲しいし、ご主人に辞めないよう私から説得して欲しいというのです。旅先のことゆえ、ましてや電車の中なので電話を切り、ホテルから電話をしました、そしてご主人の携帯電話を聞きだし、電話を入れたのですが、彼は日曜日で休みなのかパチンコの雑踏の中にいました。粗方の話をして電話を切りましたが、三人の子供を育てる責任や家のローンなどを考えると、「甘えるな」と叱り飛ばしてやりたいのですが、そうも行かず帰ってからの大きな仕事になりそうです。
「うるさくも ポケット揺らす 携帯が 私の話 中断させる」
「飯食った 体の具合 どうなのと いちいちうるさく 妻は電話を」
「辞めたいと 夫の話 持ち出して 携帯相手 深刻なりぬ」
「便利さが かえって不便 かこってる 出ない電話に 募るイライラ」