○五徳が出来ました
水平線の家の少し上がりかまち寄りに畳一畳敷きの囲炉裏を切りました。普段はその上に蓋をしているので余程注意をしていないと囲炉裏の存在に気付きませが、その蓋を取ると真っ白い木灰が敷き詰められて、いかにも初々しい感じがします。我が家の横の煙会所の囲炉裏は畳半畳ですから倍の広さで、相当ゆっくりした造りになっています。設計担当の息子はこの囲炉裏にお茶室用の五徳を3個もインターネットウォークションで買い求め持って来ましたが、これは全て茶室用で大衆の酒飲み用には通用しませんので、息子の友だちの鉄工所社長に私がお粗末な絵を書いて渡し造ってもらいました。その五徳がこの程出来上がって地元の人を呼んだ火入れの会に初披露しました。普通囲炉裏には自在カギが吊るされてその下に丸い五徳が置かれるのですが、畳一畳もの広い囲炉裏なので丸と長四角の二つを用意しました。
五徳は広辞苑によると「炭火などの上に置き鉄瓶などをかける三脚または四脚の輪型器具」と紹介されていますが、中には陶磁器の五徳もあるそうです。昔は火鉢がどの家にもあって、小さいな五徳の上で鉄瓶から湯気が出ている姿を見たものでした。五徳が輪型と書いてあるので、水平線の家の五徳は長方形なので変わっている形で五徳とはいわないのでしょうが、それでも設計では5本の鉄筋で作られており、まるで音楽の楽譜に出てくる五線譜のような感じがしてこれも五徳といえそうです。
しかし五徳の意味は以外と奥が深く、儒教では温・良・恭・倹・譲の5つの徳目を言うのだそうです。また兵家では知・信・仁・勇・厳の5つの教えを五徳とよんでいるようです。儒教も兵家の教えも今はただ遠い昔の教えになってしまいましたが、五徳を見ながら酒を酌み交わし五徳の意味について語ることも水平線の家の大切な教えだと思っています。
温-心の温もり
良-良い考えと行い
恭-素直な心
倹-倹約
譲-譲る