○剪定談義
私たちまちづくり人の溜まり場が松山にあります。えひめ地域政策研究センターというのが正式名称なのですが、私は一週間に二度や三度は出向きます。研究員はいずれ劣らぬ優秀な方がまちづくり部門だけでも4人いますが、「痒い所に手が届く」の表現がピッタリの優秀な人材スタッフが揃っています。事務所に出向くと主任はじめみんな忙しいのに手を休めて話をしてくれるのです。
研究員の中には一風変わった経歴の方もいます。清水さんは農協マンでありながら出向していて、なんとこの方が気象予報士なのには驚きます。農業と気象は切っても切れない縁があるので当然と言えば当然のことなのでしょうが、今までそういった毛並みの人にはめぐり合ったことがなく、とにかく彼の話はいつも新鮮さを覚えます。特に人間牧場を開こうとしてからは彼の話は随分私の生き方に影響を及ぼしました。
今日は松山市の湯築小学校のPTAに話しに行った帰りに立ち寄り、剪定談義に花が咲きました。彼のメールで伊予柑の剪定の真っ最中という記事を読んだものですから、「今時に剪定なんて遅れてるのでは」と質問したところ、はじまりはじまりー。清水百姓もどきの薀蓄ある講義です。私は梅の木の剪定を相談したかったのですが、剪定が教えてくれる組織論まで話が及び、これは使えそうだとブログに書いて占有権を公表した次第です。
私「剪定は何のためにするか」。清水「簡単に言えば風通しと日当たりをよくして、いい果実をならせるためです。私「俺の梅の木はどんなにすればよいか」。清水「風通しと日当たりがいいように自分で剪定することです」。うーん上手くいきません。折角梅の木の選定をさせる機会を与えようとの温情には見向きもしませんでした。清水「私は剪定をしながら剪定は組織を活性化するヒントがあるように思います。上(上司)が何時までも辞めないと下は風通しも日当たりも悪くなって結局下枝は枯れてしまうのです。私「うーん面白い例えじゃねえ」。清水「結局は枝切りも根切りも全て樹を若返らせる手法なのです」。私「上って誰」。清水「組織で言えばトップ集団です」。そこまでは話しましたが、さすが農協組織で飯を食っているだけあって、「そりゃあ組合長や専務です」とは言いませんでした。
でも、清水さんの話を聞いて組織のあり方を帰りながら色々考えてみました。私も梅の木を実際に剪定してみなければ分らないので、早速今年は梅の木の剪定に挑戦してみます。剪定した梅の小枝は花をつけた頃であれば日曜市に出荷して少し儲けたいと思っています。「取らぬ梅の花算用」になるかも知れませんが、清水さんの教えを請うて剪定から組織論を学びたいものです。
「梅の木の 剪定話 飛びに飛ぶ 組織に及び 確かに一理」
「上と下 左と右が あるように 見方変えれば まったく逆に」
「上でなく 下でもないよ 今自分 一歩離れて 気付きの多さ」
「人は皆 それぞれの道 歩みつつ 剪定一つも 逃さず知恵に」