○ガードレール一新
伊予市に合併しても双海町という地名は存在し、双海町の海岸線の総延長は16キロありますが、その海岸線に沿って走る国道378号は全て海に面しており、海を埋め立てて造ったためテトラポットと白いガードレールが無味乾燥的に設置されていました。海が国道の直ぐ下という特長を生かすためには何としてもガードレールをパイプ式にしたいと、各方面に働きかけましたが、お金が要る、安全が保てないなどの理由でその後は無しのつぶてでした。ところが何年か前にパイプ式のガードレール、しかも海の色と違和感のないブルーのパイプ式ガードレール設置工事が次第に進んで、今ではその殆どが一新されました。これはまさに原風景にマッチした快挙で関係者の努力に敬意を表したいと思います。
まちづくりは経済的な活力と、快適で潤いのある暮らしが求められますが、これまでのまちづくりはややもすると経済が優先されてきました。しかし物が豊になった今は、心の豊かさが求められるようになってきました。看板や色調の統一、電線の地中化などによる心の充足は人間が人間として生きてゆくためには大切なものなのです。
ガードレールを変えたからといって、別に地域が活性化するわけではありませんが、訪ねてきた人や住んでる人が、「この町ではこんな事に気配りしているのか」とまちのデザインを感じれれば、住む人にとっても嬉しいことだし、住み心地もいいはずです。
ガードレールを取り替える工事中は片側通行になるため、不便を感じたり不満を言う人もいました。「忙しいのに何で通行止めまでして」とか、「県や国は二言目には金がないと言うが、こんな工事をする金があるのなら税金を負けてくれ」「ガードレールはまだ使えるのに勿体無い」「ガードレールを変えたぐらいで地域は活性化するものか」などなどでしたが、私はこのガードレールを相当気に入ってみんなに自慢しているのです。
山口県へ行きましたが、山口県下のガードレールは全てオレンジ色でしたし、わが愛媛県では白いガードレールが圧倒的に多いようですが、これだけ長い距離のガードレールを統一している所は余り見たことがありません。これもやはりまちづくりの成果だと思うのです。
「海岸の 国道横を 見てご覧 ガードレールが とても綺麗に」
「人知れず 努力した人 いればこそ 町の美観が こうして格上げ」
「あの人は あいも変わらず 海へポイ ゴミ捨て習慣 わがさえ良ければ」
「変なもの 変と思える 変な人 変ではなくて それが正しい」