○曲がったキュウリと虫食いのキャベツ
今日は東京から帰ったので少しゆっくりしようと思っていたら、妻がお昼に仕事先から帰ってきて嬉しそうに「今日は昼から休み」というのです。妻にしてみれば毎週日曜日しか休みがないので余程臨時休業は嬉しかったのでしょう。「じゃあ今日は昼飯でも食ったら温泉でも行くか」と誘ったところ話がまとまり、大洲の温泉に行く事になりました。車で40分くらいな所にあるのですが、ゆっくり清潔が売りだけあって久しぶりにサウナや暖かい温泉でのんびりしました。
帰る時隣のスーパーに立ち寄って買い物をしました。農協系が経営しているらしく野菜が豊富で妻は持ちきれない程買いましたが、一番の買い物は曲がったキュウリと箱入りイチゴです。キュウリは曲がっているだけではね物とされ商品価値がないようで、どっさり入れて何と300円です。キュウリは曲がっていても真っ直ぐでも味は一緒だし、スライスしてしまえばこれまた同じなのに何故曲がったキュウリはこんなに安いのか不思議で仕方がありません。一方今日はイチゴが特売で普通4パック入れるダンボールの外枠箱にどっさり入って9百円でした。4パックに分けると1パックが225円につきます。パックに並べる手間を省いていたり粒が揃っていませんが、それでも食べるのには何ら支障のないことなのです。
野菜売り場には綺麗な野菜が沢山並べられていましたが、妻が「お父さん、何で売っているキャベツはこんなに綺麗なのじゃろう。うちの春キャベツは青虫がいっぱい食べて穴だらけというのに」と唐突に聞くのです。「それは消毒して虫が食わんようにしているからで、うちのキャベツは美味いから虫も好んで食いよる」と話してやりました。妻は納得した様子で、握っていたキャベツを元の場所へ戻し買うのを止めました。
わが家の菜園には今年もキャベツが沢山出来ました。お陰さまでリンキャベ(リンゴとキャベツを朝食の常食にしている私の造った造語です)毎日新鮮な柔らかい春キャベツを沢山食べています。大きなキャベツなので毎日ほおっておいたら青虫がどんどん食べて穴だらけにします。親父はそれを見かねて青虫を手でとっありするのですが追いつかなくて、このキャベツにナイロンの袋を防止のように被せる戦術をしました。今夕妻がキャベツを畑から取ってきて欲しいと頼むものですから、畑へ取りに行って驚きました。キャベツが白い帽子を被っているのです。
私たち消費者はいつの間にか見た目に綺麗な商品を欲しがるようになりました。それが少々高くても、穴の開いた虫食いのキャベツなどは見向きもしません。それでいて自然がいいとか安全はなどと御託を並べるのです。最近まで、いや今もかも知れませんが、野菜作りを指導する農協までもが見た目重視の指導をしているのです。安全や地産池消、食育などの言葉も言葉遊びの感じがしてなりません。
虫が食べて安全なキャベツは人間にとっても安全なことを、もっと心に言い聞かせたいものです。
「虫食いの キャベツ食べてる わが家では 多分数日 命永らえ」
「一袋 三百円の このキュウリ 料理次第で 何ら変わらず」
「キャベツから 虫が出たと 文句言う 若いママさん あんたおかしい」
「わが親父 キャベツに帽子 被せてる 凄いアイディア 特許にしようか」