○私がお酒のラベルになった
私は5年前に胆嚢の摘出手術をして以来、体に悪いという理由でお酒を断っています。「酒は飲まない」と心に誓っているものですから多分これからも一生、余程の事がない限り酒は飲まないでしょう。落語ではありませんが、先日仲間がそのことを尋ねたお返しに、「みんな禁酒や禁煙と言っているが、酒やタバコが止めれないというのはおかしい。わしはもう10回以上も止めた」というのです。笑い話にもならない彼は、数年前に胃を手術して殆ど取りました。最初は恐る恐るでしたが飲むほどに酔うほどに気持ちが大きくなって、手術後病院へ見舞いに行った時の神妙な顔つきや言動とは裏腹、「酒やタバコを止めるくらいなら死んだほうがましじゃあ」などと嘯いて、手術前の酒量が回復したと喜んで飲んでいます。
私だって昔は飲んでいた訳ですから酒に未練がないというのは決してありません。彼からそのように詰られ勧められても飲まないのが私の決意でしょう。「あんたは偉い」と最後に握手しましたが、「長生きしたかったらもう少し酒は慎むように」諭しましたが焼け石に水でした。「あんた一人の体じゃあない」と家族のことを言うと、「分かった分かった」でまた幕でした。
先日私の写真が一升瓶のラベルに張られた酒が島根県から送られてきました。青年会議所の主催するまちづくりシンポジウムの記念講演に招かれたときに約束していたものが、大きな当日のポスターとともに送られてきたのです。
酒を飲まない私にとって酒は無用の長物、早速親父にプレゼントしましたが、親父はこの珍しい酒瓶を中身は飲んで、記念にと大切に保管してくれています。
それにしても自分の姿がラベルになった姿はどう考えても面映いものです。例の木になるカバンを提げている姿は、絵になるといえばそうかも知れませんが、この酒を10本も作って関係者に配ったアイディアは素晴らしいと思いましたが、後9本飲まれた後の空瓶は、冷たい雨にさらされ何処かの路地で転がっているかもと思うと、これも苦笑いの種になりそうです。
でも、律儀な青年会議所の皆さんの発想の豊かさと行動力に敬意を表します。生まれて始めて私の意匠が一升瓶のラベルとなったのですから・・・・・・。
実は私の長年の夢である「アサヒビールがあって、何故夕日ビールが」ないのか」の質問と、「夕日ビールを造りたい」という私の夢を実現させてやろうと、本当に夕日ビールのラベルを作ってくれた人がいます。舩木上次さんという山梨県清里に住む観光カリスマの凄い人です。最近はすっかりお友達になって来年も愛媛県に呼ぶ予定です。また私のラベルを作ってワインをプレゼントしてくれた人もいます。こうした遊び心が人生を豊かにしてくれるのです。いい人いい出会いにウーロン茶で乾杯。
「酒飲めぬ私にさけを送る人わざわざ私の写真ラベルに」