○ヨーロッパから電話
「お父さん。人間牧場の書棚は付いた」。いきなり電話の向こうで長男お声。只今長男は新妻と二人で新婚旅行の真最中、なのに地球の裏側ヨーロッパから、人間牧場のあれこれが気になるらしく、電話がかかってきました。私が青年お船でアメリカに渡ったのは今から30年前、約2ヶ月半もの船旅だったため、その頃は相当の決意で旅立ったものですが、今は飛行機でひとっ飛び、便利になったものです。
電話の声も国内と何ら変わらず話せるのですから、私のような凡人には、声が聞こえることすら不思議に思えます。それでも二人仲良く旅を続けていると聞いてホッとしています。やはりこれが親心なのでしょうか、息子のゴマすりと分かっていてもやはり嬉しいものです。
息子は出かけるとき飛行場で、人間牧場のことについて色々支持して旅立ちました。水平線の家の設計者ということもあって気持ちは分かるのですが、どうやら私が息子の意に沿わないことをしでかすのではないかと心配しているようです。
水平線の家の構想から建築まで、息子との接触で私の考えも随分変わったように思います。安ければよいと思って始めたことさえ、満足行くものを作るに変わったし、原風景を生かす総開きのサッシだってお金は要りましたが、終わってみると息子の主張の方が正しかったと思う今日この頃です。
親はいつも息子を子どもだと思っています。それは私と私の父との関係も同じで、そこに衝突の原因があるのです。今でも88歳の父との反感反目はそこにあります。分かっていてもそのことが超えられないのはやはり親子だからでしょうか。
息子は私と同じように英語が話せません。しかしようしたもので、新妻はアメリカ留学の経験があり英語が堪能です。新婚旅行といいながら、ヨーロッパの建築学を学ぶ絶好の機会、さらに知ったかぶりに磨きをかけて帰ってくるでしょう。また親子の溝は深くなるのですが、これも仕方のないことでしょう。
来週はどんな顔をして二人で帰ってくるか楽しみです。
家の敷地内に造っている煙会所の周辺が騒がしくなっています。その話は次回に・・・・・・・。