○人間牧場にススキの花が咲く
人間牧場にはかずらやヨモギ、それにススキがいっぱい生えています。それらは雑草と呼ばれ、やっかいものとされてきました。春草から夏草を経て秋草まで約7ヶ月間、それら雑草との戦いに明け暮れました。特に10年間も放置していたつけが回って、地下茎が太り、刈っても刈っても伸びる勢いが強く、4度刈りましたが、その後も青々とした草が茂っています。
そんな中で、二抱えもあるような大きなカヤの根を掘らずに残し、刈らずに残しておいたのですが、これが大きく成長し、何と花が咲いたではありませんか。ススキは花ではなく穂ともいわれますが、まさに秋の七草のひとつであるススキの花が自然の中で見事に原風景を演出してくれています。
すすきもクズも元はといえば雑草、しかしこれがれっきとした秋の七草なのです。
人間牧場はもう秋です。深まり行く秋を物語るように周りの柿も少しずつ色づき始めススキの花と見事なコラボレーションです。一ヶ月前に開いた夕焼けコンサートの時はわざわざ徳島県塩塚高原からススキを運んでもらいましたから、季節の移ろいは大したものですね。
ススキと月といえば団子や熱燗を思い出しますが、下戸な私はさしずめ月見団子と行きたい所ですが、その味はもう少し向こうになりそうです。
今日は北東の風が吹きました。双海町では北東の風のことを「くだり」と呼んでいますが、「くだり」の風は秋の特徴です。「くだりの風と夫婦喧嘩は宵には凪ぐ」といわれるように、昼に強く吹いていた「くだり」も、夕方になると陸風に押されて止んできます。「くだりの吹き落ちは雨になる」ともいわれています。これから秋が深まるにつれて、毎日漁師さんが漁に出れないほど「くだり」が吹きます。4・5日吹き続けるとやがて雨になる周期を繰り返し、やがて冬将軍の北西の風に変わるのです。
そろそろ、ストーブの心配もしておかなくっちゃあ。
今年の冬はどんな風が人間牧場に吹くのか、楽しみでもあり、心配でもあり。秋の暮れ。