shin-1さんの日記

○かまどの築炉工事3日目

 大分県への出張が先方の都合により急遽取りやめになったため、今日は人間牧場への視察と取材をこれまた急遽引き受け、朝から人間牧場へ行ったり来たりで午前中は忙しく過ごしました。午後は昨日刈り残した草刈りを継続しましたが、草刈り機の替え刃も切れ味が悪くなり、思い切って新品に変えたところ、見違えるような作業効率です。草刈り機も私と同じでそろそろ寿命と買い替えを検討しているのですが、エンジンの調子は絶好調なのでもう少し使おうかと思っています。

 さて今日も左官さんによるかまどの築炉工事は昨日に続いて行われましたが、相変わらず私は暇を見つけてその様子をデジカメで記録しているのです。

 昨日の夕方は、友人のおばあさんの通夜があって一足早く下山したたのですが、左官さんたちは今日の仕事の段取りをきちんとして帰っていました。大工さんは昨日息子と一緒にかまどの煙筒つを買いに行ったようで、今朝は早くから壁に煙突用の穴を開けていました。

 
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(煙穴のマク板を取り除き、かまどの上の部分の中塗り)

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(中塗りにはマホランの繊維を塗り込みました)

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(マホランも今では中々手に入らないそうです)

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(中塗りの粗塗り完了)

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(中塗りの粗塗り後は何度も銅の鏝でなじむよう抑えて行きます)

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(上の中塗りが終わったら前と側面の中塗りです。焚き口も据え付けられました)

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(息子の書いた設計図に基づいて上台と下台の化粧です)
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(赤いレンガをより引き立させるためにレンガに赤いベンガラを塗ります)
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(金輪を置いてハガマを据えてみました。夕日に照らされ中々のでき具合です)

 左官さんの話だとこれまでの作業はほぼ完ぺきなようで、明日はいよいよ上塗りにかかるそうです。私などは「恥の上塗り」なんて言葉しか知りませんが、左官さんが一番気を使うのはやはり仕上げでしょう。明日上塗りをしたら磨きにかかり、約1ヵ月間じっくり自然乾燥してから使うのだそうです。でないとひび割れが来るので、まああせらずに果報は寝て待ちましょう。

 エネルギー革命によって度の家にでもあったかまどは殆ど姿を消しました。昔の左官さんはかまどや風呂が築けなければ一人前ではなかったようですが、今の左官さんはかまどなど見たこともなく、ましてや造ったこともないのです。ゆえに半人前かも知れないと笑っていましたが、私たちが子どもの頃はかまどで煮炊きすることが当り前だったのです。冬の薪割りも、かまどで火を焚くことも日本人の暮らしの中から消えてしまったのです。


 さて、かまどが現実のものとなった今、人間牧場でのプログラムは俄然幅が出てきました。ご飯やみそ汁は勿論のこと、ふかしイモや味噌作りなど様々な応用が考えられるのです。それは昔を懐古するだけではなく、日本の食文化を正しく伝えることにもなるのです。まあこんなことを考えていますが、はてさてかまど小屋の工事がそろそろ終わるころなので、そろそろ資金繰りを考えなければならないようです。自転車操業の人間牧場の一番の悩みはやはり資金なのです。まあ「金は天下の回りもの」ですから・・・・・。


  「この腕も 使わなければ 持ち腐れ 時代進んで 伝える人なく」

  「かまど見りゃ 幼き日々の 思い出が 浮かんで消える 古き人間」

  「煙立つ 湯気の向こうに 米の飯 夏かし日々の 幸せ思う」

  「焦げ飯に 潮つけ握る 母の味 かまど造りは そこが原点」


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○かまどの築炉状況写真

 息子からかまどの築炉状況を詳しく写真で記録するよう依頼があって、一日目は何とか時間を割いて対応したものの、二日目の昨日は残念ながら午後3時まで仕事が入って記録することができませんでした。ここにきて順調に進む築炉作業がどうしても気になって、遅まきながら3時から人間牧場へ出かけて行きました。築炉作業はかなり進んではいましたが、それでもかまどの肝心な部分の写真は撮れました。

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(前日組まれたレンガの上にかまど工事が始まりました)
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(炉心部分の工事)
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(かまどの周りに耐火レンガが立てられ、心臓部分が見えてきました)
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(漆喰で周りを固められる煙道型枠)

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(かまどの周りは熱吸収と余熱利用のため砂で埋められました)
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(かまどの焚き口には鋳物の窓が取り付けられました)
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(排煙型枠の上にハガマを乗せたかまどの内部)

 左官の大将は職人とは思えぬ優しい方で、年齢的にはおそらくこれからもかまどを築くこともそんなに多くはないと思っていて、写真撮影にも快く応じてくれました。またもう一人の左官さんは40年間左官をしているのにかまどを築炉するのは初めてだと言って、私と同じように工程の全てを作業をしながら写真に収めていました。

 耐火レンガをサンダーで切りながらの作業は予想以上に手間のかかる仕事だと思いました。切ったレンガを水に浸しセメントとスサワラ、石灰などを調合した漆喰のようなもので固めて行くのですが、素人の私にはどこから排煙するのか説明を聞かなければ分りませんでした。発泡スチロールで丸い型枠を作って組み立てていましたが、どうやらこの型枠が煙の道となるようです。一晩養生をして明日は型枠を外せばそれが分るのだそうです。


 昨日は友人松本さんのおばあちゃんが亡くなってお通夜に出席するため、後ろ髪を引かれる思いで人間牧場を下りましたが、今日は人間牧場の取材や見学が来るため作業工程を写真に収められそうです。

 左官さんの話によると、後二日くらいで目鼻がつくそうですが、工事が終わってもひび割れを防ぐため自然乾燥に約1カ月くらいかかるそうで、早くても10月の新米の出回る時期に初釜のようです。味噌汁や漬物の準備も着々始まって、何かワクワク・ドキドキしてきました。日本の食文化のルーツとも言えるかまどについて、もっと勉強して楽しみたいと思っています。それにしても息子は設計の仕事をしているとはいいながら、よく調べて取り組んでいるものだと感心しました。


  「凡人が ゆえにかまどの 姿まだ 見えずオロオロ 写真に収め」

  「なるほどと 感心しつつ ウロチョロと 邪魔ともいえず 左官付き合う」

  「いつの間に 息子と左官 話し合い こんな計画 練っていたのか」

  「夕暮れに なると藪蚊が 肌を刺す 夏の名残りの 平手でパチン」

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