人間牧場

〇虹を見ていると幸せ気分

私が自宅から撮影した虹
私が自宅から撮影した虹

 私は子どものころから、虹を見ると何だか夢を見ているような幸せな気分になります。それは下灘小学校に通っていた少年のころ、図書室で「虹を掴んだ男」という一冊の本を読んだからでした。その本によるとある日何をしても長続きしない飽き易な男が、寝ていて夢をみたお話です。夢に神様が現れ「虹を見たら急いで虹の付け根まで行き、虹が消えぬ間にそこを掘ったら莫大な財宝が眠っている」というのです。男はその話を信じ、雨上がりの空に虹が出ると、仕事をほったらかして、虹の根元を目指して一目散に走りましたが、いつも途中で虹は消えてしまいました。近所の人は仕事もせずに虹ばかりを追いかけ、田畑は荒れ放題になっているその人のことを、いつしか「虹ボケさん」と呼んであざ笑っていました。夢で見た虹のことなどすっかり忘れかけていたある日のこと、一人の男が息せき切ってやって来ました。実はその男も同じような夢を見ていて、今日その虹の根元が虹ボケさんの畑であることを突き止めたそうです。

本多さんが撮影した日輪の虹
本多さんが撮影した日輪の虹

二人は虹が消えぬ間に急いでそこら辺を掘り返しましたが、結局財宝は出てきませんでした。疲れ果ててあぜ道にしゃがみ込んだ二人の前の、荒れ放題だった田畑は掘り返されていつの間にか立派な田畑に生まれ変わっていました。男は神様が言った言葉が「田畑をしっかり耕せば稔がやって来て暮らしが豊かになる」ことに気付き、それ以来一生懸命働き、長者になったというお話でした。
 私もご多聞に漏れずお金持ちになりたいし、もし虹の根元に財宝が埋まっているのなら、追いかけてありつきたいものですが、平凡な田舎の暮らしに満足しているので、男のような人生は歩みたくないと思うのです。でも何故か虹を見るとこの本のことを思い出し、何とも不思議な七色の虹を見ながら、その話を思い返すのです。

 何日か前、夕日が沈むころ西の空に小さな虹のような虹が見えました。「虹のような虹」と表現したのは、それが虹であるかどうか疑問だからです。ところが双海町地域おこし協力隊の本多さんが偶然にもその虹を写真に収めて、Facebookにアップしていました。私が撮影したのは自宅からだったので、半分しか写っていませんでしたが、本多さんは全てを写していたので、拝借することにしました。それにしても虹は見る場所によって違って見えるのです。今回の虹は日輪で、水滴の虹とは少し様子は違っていましたが、目には虹に見えました。
 虹は光の織り成す虚像です。七色に見える姿はまさにメルヘンです。虹を見ていると何だか幸せな気分になれるのです。私は感動人間を自負しているから・・・・かも。

  「ある本で 虹の根元に お宝が 眠っていると 読んだ思い出」

  「虹は何故 七色なのと 孫が聞く 答えられらい 粗末なお爺」

  「七色の 虹を見てると 何となく 幸せ気分 だから大好き」

  「同じ虹 見ている人が 一人いた 多分その人 幸せ男」

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