人間牧場

投稿者: | 2012年4月30日

○若草物語ならぬ草取り物語

 わが家は貧乏人ながら、家の横にある家庭菜園を含めると敷地が田舎らしく660坪もあるのです。都会ならこの広さを聞いただけで、どんな金持ちだろうと思われがちですが、田舎ではこんな家はざらなのです。敷地が広いと庭も広いし家も広く余裕があって、それなりにのんびり暮らせるものの、困ったことが幾つかあります。その最たるものは雑草への対応です。特に春先から秋先にかけては雑草の活動が活発で、ほおっておくと雑草に埋まるのではないかと思うほど草が庭中畑中生えてしまうのです。
 私の家では代々庭と畑の草取りは年寄りの仕事、家の周りの傾斜面の草刈りは当主の仕事と暗黙の了解があって、死んだ祖母も母も暇さえあれば下向きに下を向いて草を引いたり削ったりして晩年を過ごしました。今草取りは93歳になった親父の仕事と暗黙の了解があって、親父は漁師を引退して陸に上がってからは、毎日毎日明けても暮れても草引きと草削りの作業を、言葉で感謝されることもなくやり続けているのです。

 親父は若い頃鼻ガンで生きるか死ぬかの大病を患いましたが、再発することもなく生き延びてわが家の草から家を守り続けているのですが、最近になって少し気力や体力に衰えを感じ、特にスネが思わしくないため、もっぱら「陽の当たる坂道」という電動自転車を愛用して片道7キロの下灘診療所まで毎週一回通院しているほど行動範囲は広いのですが、全てに限界を感じる言葉を言うようになり、草引きもいよいよ代替わりで、長男である私に回ってきそうな雲行きです。
 私には家の周りの斜面の草刈に加え人間牧場の草刈という、今も行なっている重要にして重労働な役割があります。これに加えて畑や庭の草取りもやらなければならないとなると、これはもう大変な作業で、そのことを考えると今から老後の暮らしが憂鬱になるのです。いっそのこと農家の人がやっているように草刈らしという農薬を撒いて作業を軽減しようかとも思うのですが、一緒に暮らしている孫のことや、環境のことを考えるとそれもできず、頭を悩ませています。

 草は植えもしないし頼みもしないのに庭中勝手に生え、意地悪い草は何と屋根の瓦と瓦の間にまで蔓延って、ほおっておくと屋根の雨漏りの原因にもなるのです。「生き場所がここにもあった屋根の草」なんて風流を楽しむこと等などできず、切羽詰っているのです。都会でマンション暮らしをしているセレブの人は、庭木の剪定も草取りもせずに、年をとったらすることがないと嘆いているようですが、わが家へ春先から秋先まで疎開してくれれば、草引きの作業を楽しくやらせて上げますので、新聞広告でも出そうかと思っています。でも草に向かって「頼みもしないのに何故生えた」とブチクサ言ってみたところで草は減るわけではないので、昨日もゴールデンウィークで、世の中の人々は海外旅行や国内のあちこちへ行って浮かれているというのに、私はゴールデンウィークを使って草刈りをしました。まあものは考えようで、レジャーに金が要らないので、そのお金で昨日はホームセンターで、草刈機の刃を2枚1,980円で購入した程度の出費でおさまることが出来、目出度し目出度しです。

  「庭畑 初夏から初秋 雑草が 敷地一杯 どうにかしてよ」

  「田舎では 敷地の広さ セレブ並み  税金雑草 何とかしてよ」

  「わが家では 老後の仕事 草引きと 決まっています 何とかならん?」

  「屋根にまで 生えて瓦を 押し上げる 雨漏りしないか それが心配」