shin-1さんの日記

○軒先を借りる

 軒先には軒の上と下があります。普通軒先を借りるというのは、軒先が雨露をしのげる空間になっているからの言葉でしょうが、ツバメの世界での軒先は天井の延長線上にある軒先なのです。わが家でも4月に入って車庫の軒先ではなく軒中に盛んに巣作りが始まっています。数年前ツバメの営巣のことで妻と大喧嘩をしました。軒先に営巣していたツバメがその年はどうしたことか軒中にし始めました。軒先なら許せるが軒中は車も汚れると思って営巣し始めた巣を壊してシャッターを閉めてしまったのです。ところがツバメはどうしても軒中に巣を作りたがって一向に止めません。私は車で出かけるのですが、ツバメは24時間家にいいます。面倒臭いのでシャッターを開けたままで出かけ、帰ってみるとまた巣を作り始めているのです。その様子を見ていた妻は「お父さん、ツバメは遠い国からはるばるやってくるのだからツバメの好きなようにしてあげたら」と言うのです。「車にウンコをいっぱして困る。車を洗うのはわしだから」と売り言葉に買い言葉の口喧嘩でした。多分あの時は3日間ぐらいお互いに口を利かなかったことを覚えています。結局は私が折れて何事もなく営巣し子育てをして秋には南の国へ飛び立って行きました。

 今年は事もあろうか車庫の中の天井にある蛍光灯の傘の上に営巣をし始めたのです。最近車の上に鳥の糞が沢山落ちているその正体はツバメだったのです。結局は私の車を外に出し車庫はツバメに占拠されてしまいました。若いツバメではありませんが、「ツバメと私とどっちが大事ぞ」と妻に詰め寄りたいのですが、妻は「そりゃあツバメが大事」と多分言われるので、逢えて喧嘩はしたくありませんので、結局は私の車は外にはじき出されました。連休前に車の糞を洗い落としワックスをかけた愛車も、昨夜来の激しい風雨でものの見事に汚れてしまい、ツバメに対して嫉妬と怒りの心持です。

 でも妻が言うようにツバメは遠い国からはるばるこの地この家、この軒中を選んで営巣するのです。これは自然の営みだと考えれば、人間の都合はツバメの都合の次の都合にすれば済むことなのです。間もなく卵を産み、雛が孵って子育てをする長閑な姿を見届ける余裕も私には必要なのかも知れません。

 昨日妻が「お父さん、車庫にツバメが巣作りをしよる。何年か前のように車庫のシャッターを閉めるような馬鹿な真似はしないようにね」と釘を刺されました。おいおい「俺は馬鹿か」と思いましたが、返す言葉もありませんでした。

 今日は朝から雨です。でもツバメは雨の中でも平気で飛び回り草や土でせっせと営巣に余念がありません。折角ワックスをかけたわが愛車もまるで形無しです。でも妻が言うように「洗えば綺麗になる」のです。その仕事は、ハイ私の仕事です。

  「今年また ツバメ数匹 やって来て 軒中巣作り 愛車台無し」

  「軒先を 貸した代償 糞(運)の尽き 糞(運)がついたと 思えば気楽」

  「どの国で 冬を越したか 軒ツバメ 知る由もなし 今年も飛び来」

  「妻強情 巣作り事で 口利かず 三日も無視の 苦い経験」

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