shin-1さんの日記

○タクシーに乗る

 旅行に行った旅先では地理に不案内なので、時々タクシーに乗ることはありますが、地元や仕事でよく出掛ける松山などでは、酒を飲まなくなったため殆どタクシーに乗りません。多分一年以上乗っていないと思います。

 今日は午前中道後で開かれる県内校長会のシンポジュウムにパネラーとして出席するため、午後の会の都合もあって久しぶりにタクシーに乗りました。タクシーに乗るとその運転手さんは最近まで近隣の役場に勤めていた人らしく、何と私の名前を覚えているのです。「夕日でまちづくりをした若松さんでしょう」と、乗車するなり言うのです。驚いた私は「はいそうですが」と神妙に答えました。

 「タクシーはマイカーの普及で中々儲からない」とか、「一日中相手の乗ってくれるのをひたすら待ち続けるのは骨が折れる」とか、その道の厳しい現実を語ってくれました。

 最近は規制緩和によって2種免許の取得が容易くなったり、都会の大型資本によるタクシー会社の進出によって、タクシーの台数がかなり増えたそうです。そういえば、道沿いのあちこちにタクシーが無造作に駐車して、乗客を待っている姿をよく見かけるようになりました。またタクシーの駐停車が付近の交通渋滞を招き、社会問題化する騒ぎがあることも、新聞やテレビで報じているようです。マイカー側からすると迷惑なタクシーも、タクシーに乗って話を聞いてみるとまったく逆の立場の意見が聞けて、ある部分で同情する話でした。つまり人の話は右から見ると左に見え、左から見ると右に見えるということです。

 タクシー独特の匂いをかいでいると、酒によってタクシーで家まで送ってもらった酒飲み時代の思い出が懐かしく蘇ってきました。タクシー代は普通現金で払うのですが、今日は相手からチケットを送ってもらっていたので、大名気分で運賃をチケット払いにしました。縁は不思議なものでその運転手さんとの会話が弾んて、降りる時帰りの迎えを約束してしまいました。

 やがて集会が終わり皆さんに送られて玄関でそのタクシーを待ったのですが、時間が過ぎてもそのタクシーはやってきませんでした。携帯でタクシー会社に電話したのですが、「後4~5分で行くから」だけでなしのつぶてです。仕方なく別のタクシーでその場を去りました。その運転手さんは女性だったので、心のもやもやは多少薄れましたが、約束を守らなかった運転手のことが今も気にかかっています。多分途中で人を乗せたか、いやひょっとしたら渋滞に会ったのかもと思うと心配です。儲けそこなった男の運転手と、儲けた女の運転手の今日の運勢はまったく逆となってしまいました。

 私たちの運勢もこのように、いつ逆転するか分かりませんが、せめて幸運をつかむ努力はしたいものです。

 「予約したタクシー来ぬと大慌て代わりの車女性だにやり」

 「世の中は狭いものです運転手私の名前知っている人」

 「その先を右へ左と言いながら知ったかぶりで道を間違え」

 「生活が苦しい話聞いたのでチケットに添えそっとタバコ代」

 

 

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