人間牧場

〇雨の日のために設えた絵
 人間牧場を造って間もなく20周年になります。これまで数え切れないほど多くの人が人間牧場の在処を知らせる看板の1枚もない、曲がりくねった山道をよくもまあ来たもんだと感心します。

 私のように下浜の隧道を抜けた近道を利用するのと違い、学生や大勢の人が集まる場合は、上の市道横に車を止め進入路を5分ほど歩いてもらいますが、眼下に瀬戸内海が一望できる絶景眺望を見ると、殆どのみんなはその素晴らしさに歓声を上げます。

 さらに到着して水平線の家の戸を開けて中に入り、観音開きの戸を開けると、「素晴らしい」「ブラボー」などと声を上げて褒めてくれますが、多くの人の目はウッドデッキかの向こうに一斉に向いて、長くて太い梁に掛けている4枚組の長~い絵画には殆どの人が気付かないようでです。

 もう10年以上前に、霧と雨の中ある集団が県外からやって来ました。残念ながら自慢の景色が全く見えなかったことにヒントを得て、当時まちづくりセンターに出向していた県信連から出向していた河野さんという研究員にその話をして、雨の日でもかんじてもらえるよう晴れた日の絶景絵を描いてくれるように頼みました。

 河野さんはそれから足繁く3年間通い、絵を仕上げプレゼントしてくれたので、早速梁に吊るしました。今日は朝からあいにく雨でしたが所用で人間牧場の水平線の家に立ち寄りましたが、ふと当時の逸話を思い出し、感慨深く一人この絵を見上げ、河野さんの顔を思い出しました。

[ この記事をシェアする ]