〇ヒマワリの咲く駅
無人駅だというのにJR下灘駅の人気は衰えるどころか、マスコミに取り上げられる度にSNSで拡散し、人気は留まるところを知りません。いつものように人間牧場へ行ったり講演に出掛けたりする度に国道を通って駅を見上げると、沢山の人がプラットホームに群がっています。
3日前も知人を人間牧場へ案内した帰り、下灘駅に立ち寄りました。下灘駅の片側線路を撤去して埋め立てた空き地には、地元の子どもたちと高齢者が一緒になって植えたヒマワリが、太陽に向かって綺麗に咲いていました。見ず知らずの人に「何処から来たの?と尋ねると、「東京から」とか、遠くは「北海道から」と返事が返ってきました。
37年前この駅で夕焼けプラットホームコンサートを開いた時の思い出が一瞬蘇りましたが、下灘駅の風情は片方線路を外して埋め立てた以外は今も昔も変わらずそのままです。変わらないのがいいし、変えてはならないものもあるはずです。今全国の過疎地の鉄道は乗客が列車に乗らないため採算が取れず廃線の危機に瀕しています。
私が夕焼けプラットホームコンサートをやったあの当時も山周り線の開通で並行路線の海岸周りは廃線が決まっていました。起死回生でやったコンサートで息を吹き返し今は観光列車伊予灘ものがたりも走る人気のルートとなって存続していますが、再び危機が訪れています。車の運転ができない子どもたちやお年寄りのためにもしっかいりと守りたい線路です。