人間牧場

〇空き家が目立つようになりました
 私の住んでいる双海町も、昭和30年に上灘町と下灘村が合併した時は1万700人の人口でした。その後高度成長を経たころから人口が減り続け、平成の大合併で伊予市となったものの、人口は3千人余りとなっています。

 役場に35年間勤めて過疎対策やまちづくりに関わってきた者として、果たして私たちが目指してきたものは一体何だったのかと、ふと思ったりしています。少子高齢化の波が押し寄せ、土地が荒れ空き家が目立つようになりました。

 先日空き家となった近所の家が取り壊されました。その家の両親は博学で息子さんも東京の一流の大学を卒業して一流の会社に就職して活躍していましたが、残念ながらふるさとに帰って暮らす選択もせず、その人たたちの生まれ育った家はついに没落しました。

 人はそれぞれやりたいことがあって、住み慣れた土地に住まなければならない理由はありません。私のように親から「長男がその家に糞をひらねばその家は潰れる」と昔風のしきたりで長男の私を縛り、凡人だった私もそれが一番いい選択だと自分自身に思い込ませてこのふるさとに残り今に至っています。

 どちらがいい人生だったかは分かりませんが、日本の田舎が今危ないのです。昨日今日活発な梅雨前線の影響で九州地方北部では大雨が降り甚大な被害が出ています。みんなで守ろうにも守り切れない田舎はこの先どうなって行くのでしょう。

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