〇あの人誰だったっけ?
年齢を重ねると、記憶しているはずなのに中々思い出せず、「私も歳だ」と思うことが多くなります。色々なことをしていて置いたはずの道具が見つからず、右往左往して探したり、ひどい時には「私は何をしようとしていたのだろう?」、何てこともあって、諦めにも似た境地が続くこの頃です。
昨日所用で出かけた八幡浜で街中を歩いていると、「進ちゃん元気」と声をかけてくれた人がいました。「若松さんお元気ですか?」と声をかけられるのはしょっちゅうですが、私の名前を「進ちゃん」と愛称で呼んでくれるのですから、余程深い知り合いのはずだ思うものの、私は残念ながら相手の名前を思い出すことは出来ませんでした。新型コロナの感染を予防してお互い顔の半分をマスクで隠していても「しんちゃん」と呼び相手は相当のつわものでした。
結局相手はマスクを外し「昔青年団活動を一緒にした八幡浜のTです」と名乗ってくれました。青年団当時と言えば50年も前の出会いです。結婚を機に26歳で青年団を退きましたが、私の記憶だとそれ以来一度も会っていないのですから、私の思考回路が働かないのも当然かもしれませんが、相手の記憶力の凄さに感服し、青年団というキーワードが私の脳のカンピューターを刺激してやっと記憶が繋がり、「やあTさんお久しぶり」と相成りました。
私はいつも同行する妻が感心するほど人の名前と顔を覚えるのが得意で、今もそれを自慢にしています。記憶は①覚える、②保持する、③思い出すの日常訓練がないと中々です。年齢とともに記憶は薄れるものですが、いくら認知症予防のお高いサプリメントを愛飲しても、正直なところ認知症予防することは出来ません。一番の特効薬は年齢を重ねても人との出会いをより多くしたり、書いたり読んだりすることで、脳を錆びつかさない努力をこれからもしたいと思っています。それにしてもTさんのことを思い出せなかったのは私の大失態でした。早速Tさんにお詫びのハガキをしたため投函しました。
「外出時 街中声を かけられた 『進ちゃん元気』 あなたは誰~れ」
「50年 一度も会って いないのに その人私 覚えていたとは」
「歳重ね 記憶減退 歳のせい? いやいや違う 努力足りない」
「歳とると 私は誰~れ ここは何処 探し物して 一日終わる」