◯病院の網戸にホタル
入院している患者さんに漏れ聞くと、四国地方は早くも梅雨入りしたそうです。入院生活が長くなると外の季節の変化は、窓越しに見える景色のみで、梅雨入りなどどこ吹く風といったところです。
それでも夜少しムシムシして寝苦しかったりすると、もう梅雨入りかと思ったりしながら暮らしています。病院周囲はみかん畑が広がっているため、網戸には名前も知らない虫たちがとまったり、中にはどこから侵入したのか分らない虫も夜の明かりに誘われて集まっています。
昨日の夜トイレの窓に何やら光る虫を発見しました。どうやらホタルのようでした。身障者トイレで、介助者がついて車椅子でトイレに入るため、みんな窓に止まっているホタルを見る余裕などなく、用を足せば足早に病室へ戻っていました。
思わぬ幻想的な蛍の光に癒やされましたが、そろそろわが町の上灘川周辺でもホタルが飛び始めているに違いないと、少しふるさとのことを思いながら床につきました。
「病院の 網戸に一匹 ホタル見る 今頃そろそろ わが町ホタル」