〇湯がいた筍をいただきました
近頃は土日の週末になると雨が降り、先週の日曜日も、オレンジデーというイベントを計画していたのに、一日中雨にたたられ、関係者の落胆は相当なもののようでした。最近は雨後の筍というようにあちこちに筍がお目見えしています。3日前の朝散歩をしていると「進ちゃん、筍を上げる」といきなり軽四トラックを止めて、湯がいたばかりの大きな筍の半分をナイロン袋に入れて、知人からいただきました。早速妻に渡し、その夜と昨日はこちらの地方で「筍メバル」という言葉そのままに、旬の筍とメバルを一緒に煮付けてくれました。大きなお釜で湯がきだちの筍はとても柔らかく、息子家族にもお裾分けしました。ところが息子家族からはお返しに、筍ご飯が届きました。私はどちらかと言えば煮込みご飯が余り好きではありませんが、美味しくいただきました。
最近は所かまわず悪態の代表選手であるイノシシが出没し、筍を食べられてしまうと農家の人を嘆かせていますが、農家も竹薮の周囲に電気柵を張り巡らせて参戦応戦しているようですが、夜襲を得意とするイノシシの方か戦力も戦術も一枚上で、敗戦の白旗を振ってくやしがらせているようです。筍はこの時期雨が降る度に背丈を伸ばし、ほおっておくと硬くなってしまうのです。そのため筍が地上に頭を出すか出さないかくらいで朝掘りしないと美味しくないそうです。さらに掘った筍は直ぐに茹でないと硬くなるようです。田舎は薪が沢山あるので、自家に大きな移動用のかまどやお釜を持っていて、皮を付けたまま半分に割って米糠を入れて湯がき、その後少し蒸し、十分水に晒して柔らかい筍が出来上がるのです。
最近は農家も心得ていて、筍に米糠をつけてくれたり、3日前のように湯がいた筍をくれる人が増えてきました。筍をガスで湯がくと相当な労力とガス代がかかるようで、筍を差し上げても喜ばない人もいるようだと農家の人が嘆いていました。
筍はフキやウド、ワラビ、ゼンマイとともに季節を感じる山菜といわれる山の恵みです。最近は保存技術が進んで、また外国からの輸入も頻繁で、これらの山菜は年中食べられるようになりましたが、やはり旬のものは香りといい味といい、加工品や輸入品とは比べ物にならない奥ゆかしい味がするのです。
筍は和え物にするとまた違った味が楽しめます。特に木の芽和えなどは、酒を飲まなくなった私でも、「ああ美味い」と感心しながら味わって食べるのです。そろそろ新フキのころです。人間牧場に生えている萌えるような若草色のフキを切り取ってきて、薄皮を剥き梅干しを入れて佃煮にして食べようと思っています。
「筍を 貰って嬉しく なるにけり メバルと煮付け 春味楽しむ」
「最近は 筍受難 イノシシに 崎に食べられ 農家は嘆く」
「隣りから 筍ご飯 届きたる 食物繊維 三昧食べる」
「筍を 木の芽和えする 妻の知恵 和食堪能 春も一緒に」