人間牧場

〇巣箱のかさ上げ

 季節の巡りは早いもので、このところの陽気に誘われ野山は一辺に芽吹きの頃を迎えています。夜明けが早くなった書斎の窓越しには、秋分から春分まで山の端に隠れていた朝日が差し込み始め、本尊山の山並みの柔らかい萌木が見え、すっかり上手になったウグイスも鳴き声とともに、春を思い切り体感しています。しかし家の周囲や人間牧場へ目を転じると、早くも雑草といわれる草が伸び始め、ある意味厄介な時期の始まりも予感するのです。

 昨日は人間牧場へ蜜蜂の巣箱の修正に出かけました。それというのも2~3日前、農場に植えているジャガイモの様子を見に行った折、冬を越した種蜂の巣箱の掃除をしようと思って、巣箱の中をそっと見てみると、巣箱はまだ春浅いこの時期だというのに、もう蜂球が巣箱いっぱいになっているようでした。これまで経験したことのない早さに驚き、このままほおっておくと折角の巣箱が台無しになるかも知れない思い、急いで巣箱の寸法を計りました。計ったといってもメジャーを持ち合わせていなかったので、紙切れに印をつけた程度でした。

 帰宅後自宅の倉庫から端材板を見繕い、30cm四方程度の箱を作りました。人間牧場は風の強いところなので、これまでにも何度か巣箱を風で吹き飛ばされた、苦い経験を持っているので、巣箱と巣箱の繋ぎ目にハマのような算木を打ちつけて仕上げましたが、果たして巣箱に下に上手く結合できるか心配でした。
 まず白い防虫ネットを頭顔にスッポリ被せ、手には軍手をはめて刺されないようにしました。次に蜂がブンブン飛んでいる巣箱をそっと持ち上げて草むらに置き、急いでかさ上げ用の巣箱を底板の上に置き、その上に蜜蜂でいっぱいの巣箱を慎重に重ねました。しかし採寸はピッタリ合っていたものの、ハマ算木が一ヶ所だけ窮屈でどうしても入らず、余り動かすと蜂が驚きとんでもない騒動になるので、結局一箇所だけ算木を抜いて収めることができました。

巣箱をかさ上げしました
巣箱をかさ上げしました

案の定蜂たちは大騒動で、私の体中にまとわりついてそれはもう大変でしたが、こんなことはしょっちゅう経験しているので、慌てず急がず時の過ぎるのを待っていると、やがて蜂たちも落ち着いて巣箱の中へ収まってくれました。今回作った重箱型のかさ上げ箱は新しい板を使っているため、鉢にとっては住みにくいものと思われます。聞く所によると蜂は新しい巣箱には中々入らないとのことでした。もしこの状態が上手くいくようだと、わが家の裏山に設置している種蜂の巣箱も、そろそろ蜂球が底板につきそうなので、今日辺り作ろうと思っています。ネットで調べると長崎県壱岐地方では、この方法で好成績を挙げているという蜜蜂情報もあるので、今年は積極的にこの方法を試してみようと思っています。

  「越冬の 種蜂早くも いっぱいに 急いでかさ上げ 重箱作る」

  「アバウトな 採寸元に 作ったが 腕前上々 ぴったしカンカン」

  「蜂たちが 私めがけて 大暴れ 時の経つのを 肝を冷やして」

  「もしこれが 成功すると 面白い ワクワクしつつ 今年も養蜂」

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