〇すっかり男前になりました
このところ火急の用もなく、ハレの場所へ出かけることもなかったのか、普段は1ヶ月に一度行くはずの散髪を、することをすっかり忘れていました。歳をとると身だしなみに無頓着になるのはどうやら本当のようで、妻から「お父さん、髪が伸びたようだから散髪に行ったら・・・。歳をとると余計身だしなみをきちんとしないと、人に嫌われるよ!!」ときつく言われてしまいました。「わしも忙しいんじゃ」「どこへも行かんのだからまだかまわん」「消費税が3%上がったんだから少し勘弁しようと思って」などなど、意味不明な小理屈を並べて抵抗していましたが、毎朝鏡を見たり、風呂に入る度に妻から指摘を受けるので、お節句だというのに一昨日近所の理髪店に行きました。
「今回は少し伸びましたね!!」と、理髪店のご主人と奥さんにさりげなく散髪が遅れたことを指摘されましたが、それもそのはず今回は2ヶ月も髪が伸びたままになっていたようです。私の頭はまるで丸刈りのような髪形です。3つある椅子の真ん中に座り、まず髪を濡れタオルで拭いてからバリカンで襟足を刈り上げます。その後は頭の側面や天辺をクシと鋏で刈り上げて行くのです。鏡に写る時計でおおよその時間を毎回見ていますが、刈り上げるのに25分、髭剃りに25分、合計50分が過ぎると、さっきとは打って変わった男前の私が出来上がるのです。費用は3400円です。最近は千円散髪の理髪店が市内のあちこちにできて、そちらの方へ客足が流れているようですが、私としては少々高いと思いつつ、馴染みの理髪店を変えるつもりはなく、これからも死ぬまでこの理髪店に通うつもりです。
それにしても3400円×12ヶ月=40800円は、年金暮らしの私には少々高い出費です。いっそのことバリカンを買って妻にやってもらおうかと思ったこともありましたが、人前で話すことの多い身だしなみを大事にしなければならない商売柄それもできず、結局は諦めています。
散髪をして自宅に帰ると妻が、「まあ男前になって、惚れ直したわ」と歯の浮くようなお世辞を言ってくれました。その気になってこの顔で、鏡に写った自分の顔を「まんざらでもないな」と思う私は、「誉めれば豚も木に登る」大馬鹿者です。私は最近デジカメ自画像をやっていて、1年に数回自動シャッターを操作して、自分の顔写真を撮っています。もう4~5年になりますが、たった4~5年でも自分の姿が、少しずつ老いの方向に向かっていることを感じます。多分昨日撮った自分の顔写真がこれからでは一番若い頃の写真となるはずです。自分の顔に自信を持ってこれからも、時々撮り続けようと思っています、「よう、男前!!」
「二ヶ月も 散髪せずに 髪伸ばす 何ぼの勘弁 電卓計算」
「巷には 千円一枚 理髪店 私は三倍 出すのですから」
「散髪を 終えた私の 姿見て 誉めてくれるは 妻ばかりなり」
「一年に 四万円も 金を出す 年金暮らし かなりの出費」