○妻にゴールデンウィークはない
ゴールデンウィークとはよく言ったもので、正月やお盆のように格式ばった行事は一切なく、友だちや家族と暑くも寒くもない初夏を、目いっぱい楽しむことが出来るのですから、この上ない幸せな一週間なのです。しかし私の暮らしている四国・愛媛・伊予ではそうでも、東日本大震災に遭った方々にはゴールデンウィーク等と浮かれておれない厳しい事情があったり、狭いといいながら日本は東西に細長く、やっと春の季節に目覚め、桜がほころび始めた所だってあるのです。日本人は忘れ状がいいのか、自己中心主義なのか、そんなことなどすっかり忘れて海外へ足を延ばす人も多いようです。
リタイアして8年目を迎えた私なんぞは、ゴールデンウィークは何処へ行く当てもなく、また人混みの中にわざわざ出かける煩わしさが嫌で、家でのんびり過ごすことをモットーにしていますが、残念ながらあれやこれやと薮用があって、今年も忙しいゴールデンウィークになりそうです。
昨日の夜は松山に住む孫尚樹が長男息子に連れられ、わが家へ泊りにやって来ました。間もなく今月の誕生日で5歳になる尚樹はすっかり自立し、同級生の内孫希心と遊ぶのが楽しみでやって来たのですが、間もなく3歳になる内孫奏心が二人の間に割って入って茶々を入れるものですから、まあ家の中は大騒動です。
ゴールデンウィークは未だに近くの歯医者さんで働く妻にとっては、一年に一度の休暇ウィークなのでしょうが、前述のように孫が泊りに来ると、孫が息子家族と過ごしたがるので何かと気を使い、食べ物を運んだり風呂に入れたり寝起きさせたりと、結局は休むこと等できないのです。昨日は急に電話がかかって看護師の次男が急に松山から自転車で、昼ごはんを食べに帰って来ました。昨日は妻も仕事で昼休みは午後1時30分まであるのですが、結局自分の昼食もそこそこに次男の食事を作っていました。
去年はゴールデンウィーク中、高速道路が何処まで行っても千円だったため、しまなみ海道を渡り思い切って岩国の錦帯橋と、安芸の宮島へ夫婦揃って日帰り旅行をしましたが、今年はどうやら雑事で終りそうなのです。
妻はこのように忙しく、このように休めないのに、それでも家族と過ごせるゴールデンウィークを楽しみにしていて、ゆっくりのんびりなどと、手前勝手なことばかりしている自分を少々恥じていますが、まあこれも夫婦の人生と納得しています。
昨日は夕方、宇和島遊子水ヶ浦の段々畑で収穫した早掘りジャガイモを持って親友の藤田さんがやって来ました。藤田さんは愛媛新聞の記者をしていて、高知県へ嫁ついでいった圭子さんの親父で、もう20年来の友だちです。毎年早掘りのジャガイモをこうして持って来てくれるのです。立ち話をして帰りましたが、妻は早速このジャガイモを使って、孫たちのために大鍋でカレーを作っていました。新ジャガの味は格別でとても美味しくいただきました。わが家庭菜園ではまだジャガイモはやっと芽が出て伸び始めただけなのに、もう収穫とは偉い違いだと、去年訪れた水ヶ浦の段々畑を思い出しながら食べました。
「のんびりと ゴールデンウィーク 過ごそうと 呑気孫六 私のことだ」
「休むはず 休めないのは 主婦ばかり 可哀想だと 思うことしか」
「早掘りの 馬鈴薯届き 早速に カレー作って 舌鼓打つ」
「わが家では ジャガイモ収穫 一ヶ月 後だと言うに どうしたことか」