○旬の本場物
季節は巡って秋の取り入れが終わるころなのか、全国各地の知人友人から様々な味覚が届くようになりました。わが妻はその度ノートに貼られた送り中をはがして整理をするのですが、北は北海道から南は沖縄までバラエティに富んでいて、狭い日本といいながら東西南北に長い日本を実感するのです。
一番北の北海道からはジャガイモ、カボチャ、メロン、シシャモが届きました。シシャモ以外は四国でも、ジャガイモやカボチャはわが家でも季節によって家庭菜園で少量ながら出来るのですが、どこか味が違うのです。送られてくるジャガイモは男爵が主なので、カレーや煮物に使いますが、送られてすぐだと塩茹でにしてバターを落として食べるとシンプルながらジャガイモのホコホコした味が口いっぱいに広がり、訪ねた北海道の広々とした姿が連想されるのです。
一昨日届いた信州長野のリンゴもその味がどこか違うのです。わが家ではリンキャベと称して毎日毎朝リンゴを食べています。ゆえに買物に行くとスーパーなどでリンゴを買って食べるのですが、長野県から届いたリンゴはこれまた本場物だけあって、蜜が入っていたり、少し酸味があったりして歯触りも違うようです。私は本当はこのリンゴを皮毎被りついて食べたいのですが、消毒をしているかもしれないという妻の配慮から皮を剥いて食べていますが、そんなことより皮目の栄養の方が価値があるのではないかと思い、妻のいない時は綺麗に洗って皮ごと食べるようにしているのです。
リンゴも改良が進んで色々な種類が出回っていますが、私はどちらかというと国光系の昔ながらの酸味が強いリンゴの方が好きなのですが、青い空をバックに真っ赤なリンゴが実るリンゴ畑をイメージしながら食べると、かつて訪れた長野や青森の光景が目に浮かぶのです。
昨日届いた長野県南牧村の長いもはこれまた食べ方が色々で、すりおろしてお好み焼き風にして酢醤油で食べると格別でした。
それらに交じって昨日東京からはお洒落なお菓子が、宮崎からはお酒が、また茨木からはブルーベリー酒が送られてきました。深い付き合いでもないのに私へ届くその土地の食べ物や飲み物を見ながら、その人たちの顔を思い出しつつ味わっている所です。
最近県民ショーなる番組が登場しました。みのもんたさんの番組ですが、この番組で紹介される食べ物は想像を超えた地域独特のもので、妻はその番組を録画して暇を見つけては何度も繰り返し見ているようで、私も時々見ます。その地域には地域のまさに食文化というにふさわしいものがいっぱいあるようです。私もまるで旅芸人のように毎日全国を回ってそれらに出会うのですが、送られてくる品物の数々は、妻の配慮でみかん海産珍味に化けて送り返されますが、荷物の届いた相手もまた私や四国のことを思い出しながら味わっていることでしょう。
「各地から 旬といわれる 食べ物が 人や土地など 思い出しつつ」
「適地には 適地の味が てんこ盛り 旬を食べれる 俺は幸せ」
「あちらでも 私のことを 思いつつ 荷造り送る 空気も入れて」
「実はねえ 送られし物 おすそ分け 相手のことを 言いつ手渡す」