○氏神様の夏越しの行事
昨日は愛媛大学の講義日で、フィールドワークに出かけていて夕方自宅に帰ると親父が、「畑の草を引いたので購入したばかりの耕耘機の試運転をしたい」と言うので急いで着替え、畑に出ました。永井農機具店の社長さんから操作について納品のときに説明を受けて納得していましたが、いざ使うとなると呑みこめていないため二人とも不安でした。倉庫から新品の耕耘機をエンジンをかけて外に出しました。まだ土も付いていない新品だけに使うのが勿体ないような気がしました。親父の見守る中、畑を耕し始めましたが操作は簡単で、スムースに試運転し畑を耕すことができました。25万円の大金をはたいて買っただけのことはあると、耕耘機のオーナーである親父もご満悦でした。私の巣差をじっと見ていたので、親父はひょっとしたら今までのように自分が耕耘機を使いたいと思っているのかもしれません。でももう1か月もすれば92歳なので、危ないことはしないように言ってはいますが、言っても聞かないだろうと思っています。
この日の作業も午後6時に終わり、氏神様である天一稲荷神社の夏越しのお札を返しに行くよう妻から頼まれたので、お札を持って単車で出かけました。私たちの地方では人型の印刷されたお札を29日の晩に布団の下に敷いて眠ります。そして明くる日そのお札を氏神様に返すのです。夏越しの伝統行事ですが、神社に行ってみると拝殿の中には夏越し用の茅でできた輪があって、輪くぐりして本殿前に進み、無病息災を祈るのです。二礼二拍手一拝のしきたりに沿って家族全員の健康を祈り、お賽銭を入れました。拝殿では神官の奥さんがお札を授けてくれるのです。
今年は夏の様子が少し例年と変わっています。雨が降らない梅雨が長く続いたと思えば、後半は土砂降りで、明日から8月だというのにまだ梅雨が明けていないのです。東北や北海道では日照時間が少なく稲の作柄が心配で冷害かもしれないと嘆いていました。
こんな天候ですからデパートは大変なようで、傘は例年の1,5倍とかいって喜んでいますが、梅雨が明けないので水着などは例年の半分だと嘆いていました。「雨が降ったら傘屋が儲け、風が吹いたら桶屋が儲ける」とは昔からの言い伝えですが、世の中はあちらが立てばことらが立たないと、うまく行かないものです。
私たちの日々の暮らしはお天気にあまり左右されませんが、今年は海水浴やそれにまつわる人たちも、夏休みになって当て込んだ海水浴客が来ないと嘆いているようです。夏もいよいよ本格的、でももう2週間もすればお盆が来て長いようで短い夏は終わりを告げるのです。
暑くてもいいからせめて水平線の彼方に入道雲の姿を早く見たいものです。
「輪をくぐり 本殿前に 進み出る 穢れを払い 清めたまいて」
「人型の 人形布団の 下に敷き 昨夜ぐっすり これで安心」
「神様が おのが穢れを 一身に 集め何とか 処理してくれる」
「昨年も おなじ輪くぐり したゆえに 大過もなしに 夏を終わった」