shin-1さんの日記

○東予地域ニューツーリズム推進事業現地調査②

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(公園入口に架かった吊り橋)

 霧の高原から霧の森公園に帰った頃から雨が降り出しました。渓谷にかかった橋を渡って公園内の施設を見学させてもらいました。施設は若者向きなお洒落で清潔感がありました。水曜日の昼でしたがまずまずの人出、つまりこれが日常だと思いました。旧新宮村はお茶の産地でお茶の手揉み体験ができたりお茶に関する展示が数多くありました。また新宮の地名になったであろう和歌山県新宮と同じ信仰の世界を感じさせてくれました。

 この公園の中にある霧の森菓子工房では私の友人である大西広志さんが勤めていて、出会いを楽しみにしていました。大西さんとは地域づくり人養成講座で知り合い、人間牧場にもやってきたことのある年輪塾ネットのメンバーですが、現地で会うのは初めてなのです。

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(注文を聞く親友の大西さん)

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 菓子工房では自慢のお菓子が作られていて、霧の森大福というお菓子は売上高2億円と爆発的に売れて生産が間にあわないようです。シーズンに入り忙しく振舞う彼とは立ち話程度で別れましたが、最近新宮に引っ越してきたらしく、いよいよ性根を据えて取り組むようで、ここにも力強く公園を支える人が育っていて頼もしく思いました。

 
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(市直営の温浴施設)
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(公園のメイン施設)

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(菓子工房前の中庭)

 かつて私は、もう随分前に新宮でお茶屋さんを営む大西さんの招きで、アジサイの里づくりを夢見ていた皆さんの前で講演をしたことがあります。その後も2~3度この村を訪れましたが、来る度にアジサイの花が増え、アジサイの里としてすっかり有名になりました。村内を巡るとどの家々にも道端にも綺麗なアジサイの花が咲いているのです。この地道な花づくりやお茶へのこだわりが村おこしを成功させてのだと思います。観光の基本は確かに拠点施設も必要だし、交通アクセスも良くなければ上手くいかないものです。しかしないものねだりで拠点施設のなさや道路の未整備を嘆いてないものねだりしていてもその先へは進めないのです。新宮は結果的に高速道路がつき、公園が整備されましたが、村々を回って思うのは一人一人の住民がいかにその気になって、村を美しくする気風を持っているかということなのです。


 霧の森大福が大きな効果をもたらしました。賞味期限が短い、それでいて金額的には高めの、それでいて売り切れ御免の商売戦略はさりげなくしたたかです。昨日同行した國元室長さんがわが妻へのお土産にと買ってくれました。妻は飛びきり上品で美味しい大福に舌づつみを打ちました。たった一つの商品がヒットした成功事例を真似ようといずこも真似をしていますが、花畑牧場の生キャラメルと同じで中々老舗を追い抜くことはできないようです。でもちょっとしたヒントを元に努力すれば特産品の一つや二つはできるということも言えるのです。人の心は好き易く飽き易いものなのですが、ラングセラーを維持するのは柔いことではありません。結局は成功するための幾つかのセオリーをもう一度洗い直して行くしかないのかも知れないのです。


  「お土産に 貰った大福 食べながら 何故に売れるか 妻が分析」

  「親友の 働く姿 まじまじと 頼もしくあり 安堵の胸を」

  「どの家も 庭先飾る アジサイを 植えてぐるみの 村は栄えて」

  「雨似合う アジサイの花 まじまじと 色とりどりに 違って咲いて」   



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shin-1さんの日記

○東予地域ニューツーリズム推進事業の現地調査①

 観光のスタイルが団体旅行から個人旅行や目的旅行に変わり、観光地の行く先々ではこれまでと違った人に出会い、受け入れる側も様々なプログラムを用意してそれらの人に対応するようになってきました。日本人の寿命が延び余暇時間が増えてライフスタイルが変化したための当然の成り行きでしょうが、今後もその傾向は益々強くなって行くものと思われます。観光は観光に訪れる観光客とそれを受け入れる側の交流によって成り立ちますが、これまでの観光はどちらかというと金を落とす側と金を儲ける側といった二面の経済が重視され、双方の心の充足は二の次になっていたような気がするのです。

 高・遠・長から安・近・短へ、見る観光から体験する観光へと人々の思考が変わり、グリ-ンツーリズム、エコツーリズム、産業観光、祭り観光など、これまではどちらかというと観光の対象外だった生産や生活、時には文化や教育といった新たな体験型・学習型の観光スタイルが生まれようとしているのです。私たちはこれをニューツーリズムと呼んでいますが、ニューツーリズムではこれまでと同じく経済効果を追求しつつ、価値観の多様な観光客にどれだけ心の満足をさせるかが大きなテーマとなっているのです。

 昨日現地調査に訪れた四国中央市と新居浜市は紙産業や住友関連の企業城下町であり、県庁所在地の松山市などに比べどちらかというとこれまでは、観光とはほど縁遠い地域でした。観光客としてターゲットにしている松山市からも少し離れていて、旧新宮村や旧別子山村は愛媛県でも不便で離れた地域としての存在でしかありませんでした。ところつい最近になって八の字ともXハイウェーともいわれる高速道路の整備によって旧新宮村は村でありながらインターチェンジができて、不便どころかXの要、まさに四国中央になってしまったのです。物議をかもした霧の森公園は霧の森大福等のヒット商品を開発し、アジサイの里というお洒落さも手伝って、今では県内屈指の観光地に変身しているのです。また山深かった旧別子山村もダムの整備による交通アクセスの整備が急速に進み、新しい予感を感じさせるようになってきたのです。私はこの二地区を今回の推進事業のテーマであるニューツーリズムコース設定のため現地調査を事務局担当者と行いました。

 1、四国中央市新宮地区

 市役所の合田観光係長さんと株式会社やまびこの夜船総務課長さんの案内で霧の高原施設と霧の森公園を案内してもらいました。ここでは第三セクターの株式会社やまびこが運営組織としてしっかりとした運営をしており、経営的にも地域との向かい合いも何の問題もなくこなされていて、市直営の温浴施設を含めて市との関係も良好でした。

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(今回の事業の担当者である井下係長と夜船課長、合田係長さん)
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(霧の高原の中心施設)
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(マウンテンバイクやキャンプ道具もレンタルで整っていました)
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(4棟のキャビン)
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(塩塚高原にある山頂付近の展望台、遠くは雲辺寺や瀬戸大橋、瀬戸内海が一望できます)
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(牧歌的な草場が続く山並み、パラグライダーの練習場でもあります)
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(同じ塩塚高原には旧徳島県山城町の施設群も整備されています)

 インターチェのすぐ傍にある霧の森公園から霧の高原は少し山道を離れていて、公園をキーにして動くと一日コースや半日コースのプログラム設定が無数にあるのです。パラグライダー、山歩き、野草や野鳥観察、マウンテンバイク、キャンプ、バーベキューなどなど、若者やファミリー層に人気がありそうな魅力がふんだんにありました。このプログラムはニューツーリズムの目玉、つまりいかに滞在時間を長くするかの特効薬になりそうです。駐車場に駐車している車のナンバーを見て驚くのは、高知、徳島、香川といった県外ナンバーの車が多いことです。つまりニューツーリズムのコースを設定して情報発信するには隣接する近県といかに情報のネットワークを持てるかが大きなカギとなっているようです。インターネットの時代になって広域情報は流れやすくなりましたが、行政区域を超えた連携は未だに厚い壁がありネックとなりそうです。


 観光のコース設定は何処から来るのか、ここで何をして何処へ行くのか、またどのくらいな費用でだれと来るのか、それでどの程度の費用対効果があるのか、さらにはそれが次にどうリピーターとして繋がるのか考えなければなりません。旧新宮村はクモの巣の中心にあるだけにその真価が問われそうです。

 競合の中での個性発揮と差別化、さらにはネットワーク形成、受け入れる側にスキルアップ、顧客満足アップなどなど、モデルツアーコース設定に必要な条件をクリアーしながら、考えてみたいものです。


  「外れだと 思っていたが この場所は 真ん中だった 今頃気づいて」

  「県外の ナンバー車 多くあり 知恵えさえあれば 何とかなるかも」

  「観光は 感動商売 そのために 人が大事と 肝に銘じて」

  「暑ければ 涼しい所 求めるは 人の常識 それが基本だ」

 

 

 

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