○念願の本が出来ました
10月は忙しい合間を縫って偲び書きのような感じで書斎に閉じこもり、本の原稿を書いていました。55歳の時に出版した「昇る夕日でまちづくり」の時も、「今やれる青春」の時もそうでしたが、尻に火がつかなければいい文章が?書けない性質なので、その事を承知で自分を納得させながら原稿を書きました。
この本の出版のきっかけは、人間牧場「水平線の家」に置いている高知県馬路村産150年生魚梁瀬杉の切り株が発端でした。人間牧場でやった「逆手塾」という集会で、たまたまこの切り株の上に座布団を敷いて話したところ、居心地も座り心地も、話心地もよかったので病み付きとなり、盛んにやるようになったのです。そしてこれを水平線の家のメインテーマにしたらどうだろうと考えるようになりました。そしてこともあろうにこの150年の年輪にあやかって、150話を終局の目標とすることを思いつきました。早速30話5部編成の1部目作成作業に取り掛かり、えひめ地域政策研究センター清水研究員の全面的なバックアップをいただいて企画を練ったのです。
そして今日と明日開かれる私が塾長を務める国土交通省の観光カリスマ塾での初舞台を想定し、担当してくれた松本研究員とも秘策を練って今日まで準備を進めてきたのです。
本の出版にはまず金がかかります。今回の出版はポケットサイズの60ページ程度の小さな本ですが、それでも安く見積もって1000部で30万円もするのです。紙質を落とし、原稿はファイル持ち込みなどとそぎ落とし、やっと25万円まで値切りました。しかし消費税の5パーセントは値切るに値切れず、結局は〆て262,500円になりました。資金の調達はこれまで自分の出版した「昇る夕日でまちづくり」で貯めたお金をはたきました。この本が全て売れると次の作業で2部目を出版するという仕組みにしましたが、多分その回収は可能だと思っています。
さてこの本とセットで考えている切り株の上での話芸ですが、今回の本はお喋りと組み合わせた珍しいもので、その名前も「夕日徒然草」という本です。そしてこの企画のために私の芸名を考えました。「夕日亭大根心」です。もともとこの名前は私が自分の町双海町の広報を担当していた頃のペンネームで通称「だいこんしん」と読みます。この名前で落語ならぬ落伍家として話をするのです。したがってこの本は落伍の台本となるのです。
昨日前準備でやって来た清水さんがとりあえずの本として100部持って来ました。梱包した紙包みを開けると中から念願の真新しいインクの匂いのする本が出てきたのです。私の叔父である森脇松太郎さんに書いてもらった墨文字が何とも格好いい本で一遍で気に入りました。
僅か60ページの小さな本ですが、それでも私にとっては退職後初めての本なので、この本に全勢力を傾注して、負けないような話芸を披露したいと思うのです。いよいよ明日はこの本をネタ本にした初舞台が組まれており、少しだけドキドキの緊張感が漂ってきました。
何度となく人の前で話す私ですが、落語ならぬ落伍や話芸となるとこれまた初めての試みだし、ネタ本どおり話して笑いを誘えるかどうか心配です。
今後の予定としては宮本武蔵の五輪の書にあやかり、地の書・水の書・火の書・風の書・空の書と続けてゆき、全て30話が書ければ150話の物語が出来る仕組みになっているのです。地の書が出来たので、早速水の書のネタ探しにとりかかりたいと思っています。
「念願の 地の書が出来て ホッとする 次は水の書 夢は広がる」
「退職後 金もないのに 思いつく 懐寂し 秋の夕暮れ」
「ネタ本を 基に話を 組み立てる 思っただけで ワクワクするね」
「初舞台 そのうち真打ち なるように 精進重ね もっと成長」