shin-1さんの日記

○金毘羅さんの絵馬

 昨日鳥取への所用の帰り道妻と二人で金毘羅さんへお参りしました。金毘羅さんへは今年の正月に家族でお参りに行って以来の半年振りです。昨日は日曜日とあって大勢の参拝客で賑わっていましたが、午後3時過ぎということもあってお参りを済ませて下山する人は多かったのですが私たちのようにこれから登る人はさすがに少なかったようです。「江戸っ子だってねえ。神田の生まれよ。寿司食いねえ」なんてやり取りが、時代を超えて話題になる遠州森の石松の金毘羅代参で有名な香川県の金毘羅さんは長い石段が800段近くもある難所です。最近は金さえ出せば駕籠に乗って参拝も出来ますが、さすがにここだけはバリアフリーにはならないようです。駐車場で借りた竹の杖を使って登るのですが、中腹までの沿道には土産物屋が軒を連ね、売れるのか売れないのか分らない一刀彫の置物やお菓子類が沢山売られていました。

 中腹の山門をくぐるとさすがに土産物屋は姿を消して灯篭や寄付をした人の名前を大書して彫り込んだ石柱が無数に並び、信仰の厚さを物語っていました。

 汗をかいて山頂の本殿に登ると、讃岐平野に幾つものお椀を被せたような山が見え、折からの麦秋に映えて美しい風景が疲れを癒してくれました。一昨日訪ねた鳥取の蔵のある倉吉市も、昨日訪ねた鳥取智頭町の石谷家の古民家も味わいのあるものでしたが、信仰宗教の金毘羅さんもそれぞれに、世界に誇る日本のよき伝統文化だと感じました。

 本殿の側にはお守りを販売する社務所がありましたが、若い人たちはおみくじを引いて大吉だと大騒ぎしたり、中年の方々は絵馬を書いて奉納していました。おみくじはそこら辺の木の枝に結びつけていましたが、絵馬は絵馬を飾る所があって大切に保存されているようでした。絵馬のルーツは古く平安時代にはもうあったそうです。絵馬のそもそもの起源は武将たちが戦勝を祈願して本物馬を奉納したそうですが、馬の飼育が大変ということで絵で書いた馬になり、今は絵馬という風習だけが残っているようです。念入りの絵馬は五角形の板の上に屋根を表すように細い木が打ち付けてありますが、その木の組み方が「入」という字に読めるよう、つまり願い事が神様に入るようにとの願いもあるそうです。

 受験の合格願いから安産や孫の成長、結婚の相手が見つかるようになどと、人それぞれ何時の世にも神頼みは多いようですが、くれぐれも本人の努力なしでは成就するものでないことをお忘れなきようにと、思いました。

 さて、この絵馬の行方はどうなるのでしょう。ちなみに神主さんに聞いたところ、物にも賞味期限があるように願い事も賞味期限があって、一年経つとお札と同じく処分するそうです。願い事に賞味期限はありませんが、成就したらお礼参り、成就しなかったら再度の願いと、せめて一年に一度は神の前で自分の人生を振り返りながら新たな願いを心に念じて欲しいものです。

 お願いしたのに叶わなかったらあの神様は霊験がないと悪口をよく言いいますが、願い事は神様が成就するのではなく、神の前で自分自身と約束することなのです。

 妻は賽銭を入れて何やらお願いをしていました。私も退職して懐が寒くなっているので10円を入れて十分にと自分自身に言い聞かせました。

  「十円で 俺の願いを 聞いてくれ 今時神も 金の重さで」

  「石段を 一段一段 踏みしめて 登るお参り 心清けき」

  「願い事 賞味期限は 一年で 切れるそうです 次の準備を」

  「お土産屋 うとうと店番 よだれくり 帰りに見たが やっぱり同じ」 

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shin-1さんの日記

○妻と同伴二人旅

 講演や研修などで一年中日本全国を気ままに旅をしている私の旅のスタイルは、たまに友人と一緒なんてものもありますが、その殆どは「一人旅」です。木になるカバンに読みたい本一冊とテープレコーダーにお気に入りの音楽テープを入れて出発し、イヤホーンで音楽を聴きながら本を読み、列車や船の窓から過ぎ行く景色を眺めながらぼんやりと過ごす旅は、心のリフレッシュに最高なのです。もう何年もそんな一人旅をしているとこれが普通で、近場である中・四国をマイカーで訪ねても新しい道を通ったりしながら楽しんでいます。

 普通は許されることではないとこれまで心を戒めて行動していた講演に妻の同伴を、最近講演先の同意を得て少しずつ始めています。この二日間も講演先である鳥取県倉吉市で行われる鳥取県地域づくりセミナーに妻を同伴する事になりました。一ヶ月前から妻は職場に休暇予約をとり、準備を進めていたのですが、何を勘違いしたのか妻はそのことが余程嬉しかったのでしょう、出発前日までまるで子どもが遠足にでも出掛けるように、たった二日間の旅だのに様々な用意をするのです。主婦が二日間も家を空けるには、留守に残るおやじと息子の食事の準備が必要で、例によっておでんやカレーのような二日分の保存食を用意していました。さらに携行品として果物や魔法瓶のお茶を用意し、無駄な出費を出来るだけ少なくする作戦に沿い用意に余念がありません。

 かくして一昨日午前三時前に息子の車を勤務先の今治までついで用事で運ぶため、一台は妻が運転し別々の車で出発しました。早朝の国道は車も空いて僅か1時間半で目的地今治に到着、無事息子に車を渡してしまなみ海道経由で倉吉市へ8時過ぎに到着しました。

 私の拘束時間は午後2時から午後5時までの講演時間と午後5時半から午後7時までの交流懇親会ですから、その日の午前中と夜、それに明くる日の日曜日が全て二人の旧婚旅行に使えるという算段なのです。昨年妻を伴って新婚旅行の時に訪ねた島根県隠岐の島へ出かけ、妻へ講演ついでの大きな旅をプレゼントしたことが妻の予想以上の感激を生んだものですから、今回もその再来となったのです。

 九州地方は既に入梅し、今回の旅も雨を予想していましたが、運がよかったのか、訪れた三朝温泉、東郷温泉、鳥取砂丘、智頭町では雨にも合わず爽やかな初夏の旅を満喫しました。また帰りに立ち寄った香川県金毘羅さんの長い石段登りも、妻は最近始めたジョギングのお陰で苦にすることもなく私と同行二人のよろしきを得て完歩することが出来ました。

 マイカーですから多分私一人でもガソリン代も高速道路通行料も同じですから、随分安上がりな旅となりました。でも妻は折角この一ヶ月ダイエットしたにもかかわらず、行く先々での飲み食いがたたり、1キロ体重が増えたと要らぬお土産まで持って帰ってしまいました。二日間で600キロという驚異的な距離を駆け抜けた夫婦の旅は妻の感動の場面をデジカメに収めて終わりましたが、妻曰く「今度は何処へ連れて行ってくれるの」です。気疲れした私は「うんそのうち」とそっけない返事。少しほとぼりを冷ましてからぼちぼち考えましょうか。それにしても私「あー疲れた」の旅でした。

 この写真は鳥取県智頭町石谷家の縁側で庭の風情を楽しむ妻の奥ゆかしい姿です。

 少し残念なニュースです。この2日間妻をモデルに写真を撮りましたが、鳥取砂丘で若い男性に二人の写真を撮って貰ったのですが、それが不発で写っていなかったのです。優しい心を出したばかりにこんな失敗をしてしまいました。

  「一人なら 気ままな旅も 二人だと 何かにつけて 気疲れですよ」

  「一キロの 体重落とすに 一ヶ月 だのに二日で 元の木阿弥」 

  「お土産は 増えた体重 減る財布 それでも妻は 楽しかったと」

  「また行こね 妻は早速 次の旅 俺は勘弁 口に出さぬが」

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