○私の町は瀬戸内海に面した海沿いの町です。南国とは言いがたいのですが、寒いといっても年中雪が積ることは無く、一月には早くも菜の花が咲くのです。早春の花水仙だってもう間もなく蕾を持ち上げますから、やはり暖かいのでしょう。昨日散歩に出たら近くの特別養護老人ホーム夕凪荘の前の畑には菜の花がいっぱい咲いていました。
今双海町の道沿いにはつわぶきの黄色い可憐な花が清楚な姿で咲いています。また野路菊もいっぱい咲いています。私が草刈機で草を刈った裏山のドハもいつの間にか黄色いつわぶきと野路菊が、、刈り忘れたかのように咲いています。
菊の花やバラのように作られた花でない野の花は、見た目は豪華ではありませんが、そばに寄って腰をしゃがませて見てみると結構美しいものです。私たちの暮らしは人工の花に囲まれ、トイレなどは造花で飾られています。昨日ある道の駅に野の花を生ける姿が美しいと新聞に載っていましたが、小さな一輪挿しに挿してみるとまたまた趣きのある風情が楽しめるのです。花は何も買う必要はありませんが、野の花は野にあってこそ美しいのだと思うと花を摘む気にはなりません。それでも人を招く時などは裏山へちょいと出かけ、ちょいと摘んで活けるのですが、これがまた見る人が見たらお褒めの言葉をいただくのです。
私の家の前の田んぼには彦生えといって、田んぼを刈った後に親株から出た青葉に稲が実る現象が見られます。時々田んぼの主にいって刈り取り正月用のお飾りしめ縄を作りますが、これが長さも短く丁度よいのです。私は古風な男で、しめ飾りは全て自分が作ります。親父の教育が良かったのでしょうが、彦生えまで目をやる人は余り見かけないと先日も近所の人に珍しがられました。
秋が山から里へ下りてきました。向かいの山には赤いハゼ紅葉が目立つようになって来ました。年賀状も売り出され、そろそろ木枯らしが吹く季節を迎えます。
冬の使者九州場所も間もなく開幕します。
親父の着衣が少し分厚くなったと、今朝のサロンパス張りで感じました。何と親父が食卓のうえの一輪挿しに野菊を一輪活けていました。息子と考えがいみじくも一致しました。
今年は好天に恵まれ柿もみかんも梨も全て美味いです。食欲の秋です。