人間牧場

〇思わぬハプニング(その2)

ふるさと絶賛バラエティ番組「いーよ」の取材が昨日ありました。私の車は4WDなので、雨の中やぬかるんだ道でも平気なのですが、大きな取材用のワンボックスカーとなると話は別で、細くて急な坂道、しかも周囲には灌木や雑草が生い茂っていて、熟練した運転手でも中々手こずるのです。前にNHKや南海放送の同じような取材用の車が入ったことを告げると、秋本ディレクターは乗り入れを決断しました。

 ところが恐る恐る、潅木を掻き分けるように何とか人間牧場まで下りて来た車は、その後スリップをして回るに回れず、取材スタッフや私を巻き込んで、取材そちのけの一大救出作戦が始まりました。小刻みにハンドルを切って回転させ、押したり引いたり、時には反動をつけて登りましたが、スリップするタイヤの下に板を敷き込んで押した際、その板をタイヤが後に跳ねて、秋本さんの向こう脛を強打しました。

 取材の中心人物である秋本さんが、動けなくなったらどうしようと困惑しましたが、秋本さんは痛みを堪え気丈にも最期まで取材を続行しました。今朝一番で電話をかけ様子を聞きましたが、取材が終わり病院でレントゲンを取ってもらったところ、骨折もなく何とか打撲だけですんだようで一安心です。私はこれまでにも無人島で台風に遭遇したり、子どもが足を船に挟まれたりするなど、幾度となくハプニングに見舞われましたが、その都度危機管理能力を働かせ対応して来ましたが、今回も寸前で何とか危機を回避することができ、ホッとしています。

 それにしても人間牧場の細くて狭い坂道は色々なドラマを生むものです。これまでにも網の目のような農道に入り込み、迷子になって助けを求めたり、車を溝に突っ込んで大破して動けなくなった人もいました。また今回のように大勢の人に押してもらって坂道を登った人もいました。いずれも自己責任とはいいながら、わが人間牧場が絡んでいるだけにほおって置くこともできず、随分心を痛めました。せめて人間牧場への道案内看板でも立てて欲しいと皆さんから言われていますが、それさえも隠れ家ゆえ拒み続けています。人間牧場を開設してから10年、狭くて急な坂道は変えようもなく、相変わらずそのままの設えです。

  「牧場へ 取材車入り スリップで 出るに出られず ハラハラ・ドキドキ」

  「取材車の 後を人間 気合入れ 押して坂道 やっと登りぬ」

  「ディレクター 向こう脛打ち 難儀する 大事至らず ホッと一息」

  「坂道と 看板改善 要求を されるが私 これでいいのだ」

 

 

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