人間牧場

〇芋坪掘りとモルタル塗り(その2)

 掘った芋坪は狭いながらも深さが腰高くらいあります。どの程度のモルタルが必要か分からぬまま、とりあえず砂2袋にセメントを1袋の6分くらいを入れて混ぜ合わせ、水で練りました。軟らか過ぎると落ちるし、硬過ぎると土面に付き難いのでモルタル練りは細心の注意を払いました。
 掘った芋坪の中へ入り、練ったモルタルを左官用鏝で押し当てるように塗るのですが、最初は鏝につけたモルタルが、ポトリポトリと底へ落ちました。しかし時間が経つに連れてモルタルの水分が少し蒸発して硬くなり、思った以上に上手く塗れるようになりました。

モルタル塗りの終った芋坪
モルタル塗りの終った芋坪

 第一回目のモルタル塗りは外から水分が浸入することを防ぐというより、土留めが目的なので土が隠れるように塗り込みました。最後は床下に入れたはつりの残材が隠れるよう、落ちたモルタルを平たくならし、約一時間ばかりの悪戦苦闘を終えましたが、作ったモルタルの量も全て使いきり、目算の確かさに多少優越感を覚えました。傍で不器用な息子のたしなみと見ていた親父も、私のまあまあな仕事ぶりに目を細めて、「綺麗にできたじゃないか」と誉めてくれました。
 コンクリート片を水場まで持って行って片付け、モルタルを練るために使った道具類を水洗いして片付けましたが、その間滴る汗と土やセメントが体いっぱいに付着し、グチャグチャに汚れました。妻と若嫁が用意してくれたポカリスエットやお茶を鱈腹飲んだお陰で、熱中症にもならず作業を終えましたが、大疲れしてしまいました。

 シャワーを浴びて芋坪堀の作業は一段落しましたが、このまま約1週間天日乾燥したらその上に今度は残った骨材を使いモルタルで仕上げの上塗りをする予定です。二度塗りすることで荒壁から水分が内側ににじみ出ることを防ぐのです。何せ芋坪はいわば地下室なので、綺麗に仕上げないと水分が入ってくるのです。ひょっとしたら防水のため何か薬品を混ぜたモルタルで仕上げた方がいいのかも知れません。そこの所は近所に住む左官業を営む従兄弟の助言を受けようと思っていますが、素人でできないようであれば、従兄弟に仕上げを頼んだ方がベターかも知れません。何はともあれ芋坪作りの第一段階は、天候に恵まれ何の事故もなく終えることができました。正直なところホッとしています。

  「熱中症 ならぬようにと 注意して モルタル土に 鏝先使い」

  「肉体を 使う労働 馴れぬゆえ 要らぬ力で 大汗かいて」

  「田舎ゆえ 何でもこなす 力あり 今日は左官で 明日は百姓」

  「体重が 減った分だけ 体力も 減って疲れが 溜まり寝過ごす」

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