人間牧場

〇夕焼けビールトロッコ列車チャーター便(その2)

 トロッコ列車の車窓から眺める下灘駅までの夕日夕焼けと、下灘駅からの小焼けはまた趣を変えていました。私はこの景色を何としても世に売り出したいと、当時四万十川沿線を走っていた、まるで貨物列車のようなトロッコを、JRさんに無理を言って走らせて貰ったりもしましたが、今は夕焼けビール列車が走るようになり、そのチケットも発売と同時に全て予約でいっぱいになるという、人気商品となって隔世の感がするのです。鉄道と並行して走る海岸国道378号は、私がまちづくりを担当していた頃発案し、全国公募に応募してきた3861件の中から、「夕やけこやけライン」と命名しましたが、今ではその名前もすっかり定着し、道路地図にも掲載されるようになりました。

 

下灘駅付近の車窓から見えた夕日
下灘駅付近の車窓から見えた夕日

 伊予市駅から飲み始めたビールでほろ酔い期限になった頃、トロッコ列車は長浜駅の3番線プラットホームに着きました。一行は一旦トイレ休憩のため下車し、車掌さんや担当の人たちが車内清掃をしてくれました。発車までには40分近くあるので、散歩を楽しんだりトイレを済ませたり、雑談に耽ったりしました。市役所の岡井さんが頼まれてプラットホームで、ギター片手にオリジナルなライブをやりましたが、冨田さんのアドリブダンスも中々のもので、プラットホームは大いに賑わいました。
 やがて新しいビールジョッキがテーブルの上に置かれたトロッコ列車に再乗車して、スイッチバックした列車は上りの列車となりました。

串の鉄橋の上で停車して20m下の奈落を見ました
串の鉄橋の上で停車して20m下の奈落を見ました

 予定通り20時39分、上灘駅に到着した列車から私と何人かは下車しました。トロッコの上から送ってもらう人の数が圧倒的に多いため、窓のない格子から手を出して握手をしたりハイタッチをする姿はまさに絵になる光景でした。赤いランプの尾灯が線路の向うに消えたのを見送り、迎えに来てくれた妻の車で9時前自宅に帰りましたが、出会った人々の顔を思い浮かべながら振り返ると、ほのぼのとしたいいイベントでした。次の機会には是非妻や若嫁も誘って乗せてやりたいと思いました。
 シーサイド公園の恋人岬から見る夕日も、下灘駅から見る夕日も、はたまた潮風ふれあいの館から見る夕日も趣がありますが、トロッコ列車の車窓から見る夕日夕焼けもまた、各別な味があるようでした。出会った同乗の皆さん楽しい思い出をありがとうございました。

 

 

  「トロッコの 動く列車の 車窓から 見える夕日は 格別綺麗」

  「先降りの 私見送る 人の群れ 絵になる光景 今もありあり」

  「よかったかい とてもよかった 妻にそう 話しながらも 顔思い出し」

  「終着の 駅は長浜 始発駅 スイッチバックし 人は酔い知れ」 

[ この記事をシェアする ]