○真夏の草刈り
「植物は人間がいなくても生きてゆけるが、人間は植物がなければ生きてゆけない」。これは高知県が生んだ植物学者牧野富太郎の言葉です。この言葉を実感するのは雑草です。梅雨の雨をいっぱい吸って育った雑草は、一ヶ月前に綺麗に刈ったはずなのに、いつの間にか足を踏み込むことも出来ないほど背丈を伸ばしているのです。種を蒔いた訳でも苗を植えた訳でも、また水や肥料をやった訳でもないのに、至る所に根を張って成長し続けています。
人間牧場の近くには集落の人の墓地があって、お盆が近づくこの時期は、お墓掃除やお墓参りの人が頻繁に訪れるため、お墓に通じる牧場内の道沿いに夏草が茂っていてはみっともないと思い、昨日は草刈機を軽四トラックに積んで草刈り作業に出かけました。
先日買ったばかりの新しい草刈機は、今使っている4サイクルのガソリンエンジンに比べ軽量で、使いたいと思いましたが、どこか惜しい気もするので、ついつい古いほうの草刈機を使いました。今月は人間牧場に相次いでお客さんをお迎えする予定なので、水平線の家の周辺と道沿いを周辺に草を刈りました。このところの猛暑で草も生長をストップしているような少し萎れた草でした。故に刃切れが悪く作業効率が余りはかどりませんでしたが、午前中3時間、午後3時間で何とか周辺が綺麗になりました。
妻に作ってもらって持参した握り飯弁当をウッドデッキで食べ、冷蔵庫に冷やしていたお茶を飲み、昼休みは裸になって濡れタオルで汗を拭き、背もたれ椅子でウトウトと休養を取りました。
お墓の掃除にやって来た近所の人と世間話をしたり、ブルーベリーを収穫したりして充実した時を過ごしました。それにしても草刈り作業はしんどいものです。特に夏の暑い日中の草刈りは、まるでサウナに入ったように大汗をかきました。最近は熱中症で死ぬ人もいるようなので、小まめに水分を取りました。
この草刈り作業も今ではすっかり私の夏の仕事に定着していますが、気力と体力が後10年間持つかどうか心配です。そろそろ息子に受け継ぎたいのですが、息子は体力があっても草刈機など使ったことがないのです。妻は「10年後はシルバー人材センターへでも頼まなければ・・・」と言っていますが、車に乗れなくなったり、草刈機が使えなくなったりするのはもう目の前となりました。
昨日私より一つ歳上の大内先生が亡くなったと新聞のお悔み欄に書かれていました。私もそろそろと思うのは当然だし、少し心が暗くなりました。もうそろそろと思うのか、まだまだこれからと思うのか、出来ることならポジティブに生きて行きたいものです。
「牧場の 草刈り作業 大汗を かいて減量 夏の一日」
「そろそろと 思うかまだまだ これからと 考え次第 ポジティブ生きよう」
「新品の 草刈機温存 古きもの 使って牧場 草刈り作業」
「人間は 植物なしで 生きれない 雑草さえも 恵みと思う」