○北西の季節風が吹く頃
「正月が近いと言うのに暖かいねえ」と、朝夕のあいさつで交わしていた天気が一昨日から一変し、四国沖を通過した低気圧が関東を通って北海度沖で猛烈に発達し、東日本では季節外れの洋風を伴った大雨となったようです。台風や大雨は四国や九州の出来事と思っていたのに、最近では東日本がこうした被害に見舞われているのもやはり温暖化という天候異変なのでしょうか。
それにしても昨日今日の北西の季節風はかなりのもので、瀬戸内海といえど北西に面した伊予灘が広がっている双海町の海はこの冬一番のような大時化で、「もがる」という言葉がぴったりするような大波が押し寄せています。当然海岸国道378号線は越波高潮現象で、大きな波が国道を走る車の上からまるでシャワーのように容赦なく降りかかるのです。町内にある豊田漁港と上灘漁港ももう年内は漁に出れないでしょうが、正月前の稼ぎを当てにしていた漁師さんにとってみれば当てが外れたようで、少し湿ったお正月になりそうです。双海町特有の黄色い船は全てロープできつく係留され深い眠りにつくのです。船の舳先には風波を避けてカモメが数十羽、まるでカモメの水兵さんの歌のようにお行儀よく並んで休んでいました。昨晩見たテレビ画面の天気図だと、等圧線の立て込みが尋常ではなく、2~3日は吹くことでしょうから、寒空での正月準備になるかも知れません。幸いなことにこの季節風で先日干した切干大根が一日で乾き、後は穏やかな日和の仕上げを待つのみとなりました。
昨日で官公庁も御用納めとか、今日からはお休みが続きます。私の冬休みは2~3日前から痛めた腰の具合が思わしくなく、この3日間隣町の整体医院に通って治療を受けていますが、回復の兆しが見えたようで少し安心していますが、体が悪くなってしみじみ思うのは健康の有難さでしょう。ズボンをはくことも車を運転することもままならない腰痛にはほとほと参りました。それでも年賀状を仕上げ、後の大仕事は大掃除としめ縄作りです。幸い長男と次男の息子が手伝うと言ってくれていますが、大掃除は采配すれば出来てもしめ飾りは私でないと作れないので、今日は捻り鉢巻で頑張ろうと思っています。
昨日はまだ仕事が続く娘のために孫を幼稚園へお向かいに行きました。孫の通う幼稚園はもう冬休みに入っていますが、娘のような働く女性のために子どもを預かり保育をしてくれるのです。それでもいつもは蜂の巣を突付いたような幼稚園も散閑としていていて、年齢を問わず居残り保育室の一室に集められていました。親を求める寂しさでしょうか、窓の外を眺めながら親を待つ子どもの姿も見られ、迎えに行くと一斉に子どもの視線が迎え人に向くのも何かしら侘しいものです。孫は朝母親からおじいちゃんが迎えに行くからと言い含められているので、馴れた手つき顔つきで私に愛嬌を振りまきます。孫にとっても今日から冬休みなので安心したのか「今日から冬休み」とはしゃいでいました。娘は二人目の妊娠で正月恒例の夫の家への帰省を諦め、今年はわが家での越年正月となり、夫と別々のさみしい正月となりそうです。今年の正月は例年になく賑やかな正月になりそうですが、妻は今から嬉しいため息のようです。
「北西の 季節の風が 吹き荒れて 切干大根 寒そ縮まり」
「船舳先 白いカモメの 羽休め 餌も食わずに 日がな一日」
「腰痛で じっと我慢の 暖守り 雨戸を叩く 風ぞうらめし」
「恐竜を 中立ち遊ぶ 孫と俺 何時しか童心 我に帰りて」